プレスツアー(案内)

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実施日 : 2019年01月28日 - 29日

案内:茨城プレスツアー

投稿日 : 2019年01月07日

【テーマ】
(1)首都圏の物流・エネルギー供給を担う新たな拠点
(2)建設現場の人手不足を解決するITの活用
(3)「下請け」を脱し、世界に挑む町工場
(4)茨城の伝統食「干しいも」、世界の健康食"HOSHIIMO"へ

 

 

【概要】

このツアーでは、2019年6月に「G20サミット貿易・デジタル経済大臣会合」が開催される茨城県を訪れ、貿易・エネルギー拠点、革新的な製造業・農業の拠点としての同県を取材します。

 

日本経済を牽引する首都圏の内部では、東京圏の機能強化を進めながら同時に一極集中の構造を是正し、域内における連携を強化する動きが加速しています。東京五輪による交通の混雑、首都直下地震の同時被災リスクなどの様々な課題を緩和することで、首都圏全体の国際競争力を高めるのがねらいです。そうした中、茨城県は、首都圏と海外を結ぶ新たなゲートウェイとしての機能を果たすようになってきています。太平洋に面する茨城港は、混雑が激しい東京湾周辺の港湾物流を補完する物流拠点、高まるエネルギー需要を満たすエネルギーの供給拠点などとして、首都圏の社会・経済活動を支えています。

 

また、グローバル企業グループ・Hitachiの発祥の地である茨城県には、日立グループ各社の拠点や日立と取引する中小企業が数多く立地しています。日立グループの建設機械メーカーである日立建機は、ICT搭載の建機の開発により、日本の建設現場で深刻化する人手不足という課題へのソリューションを提供しています。また、日立グループ各社が生産の海外移転を進める中で、これまでグループを支えてきた中小企業は技術力を武器に独自製品の開発や販路拡大に取り組み始めており、その中から世界を驚かせるような製品も生まれてきています。

 

茨城県はまた、北海道に次ぐ全国第二位の農業県でもあります。その特産品である「干しいも」は高機能な健康食としても注目されており、海外展開も始まっています。

 

 

【取材内容】


Ⅰ.首都圏の物流・エネルギー供給を担う新たな拠点

 

1. 茨城港


茨城県北部太平洋岸の日立港、常陸那珂港、大洗港の3港が統合された「茨城港」が、首都圏の物流を担う新たなゲートウェイとして存在感を増しています。最大の強みは、太平洋に面するため船が直接入港可能であり、輸送時間の大幅な削減が可能であることです。常陸那珂港区に隣接する地区には日本を代表する建設機械メーカーの小松製作所(以下、コマツ)と日立建機の工場が進出し、大型建設機械の輸出拠点となっています。自動車産業が集積する北関東地域とは高速道路で直結しており、SUBARU(スバル)の群馬県内の工場は、好調な北米向け完成車の輸出拠点の一つとして常陸那珂港区の利用を始めています。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、ヒト・モノの流れが東京を中心に加速化していくことが予想される中、茨城港は首都圏のモノの流れを変え効率的な輸送を実現する一翼を担っています。また、日立港区は自動車物流拠点としての機能のほか、東京ガスの「日立LNG基地」の稼働によりエネルギー供給拠点としての機能も果たしています。

 

最新鋭の国際コンテナターミナルを有する常陸那珂港区を訪れ、茨城港の概要について説明を受けた後、ストックヤードを視察します。

【写真提供:茨城県】

 

 

2. コマツ茨城工場

 

油圧ショベルやブルドーザーなどの建設・鉱山機械のシェアが世界第2位のコマツ。建設機械・車両事業の売り上げの80%以上を海外が占めるグローバル企業です。

 

茨城工場は、世界9ヶ所あるコマツのマザー工場の一つです。鉱山で使用されるダンプトラックやホイールローダーなどタイヤ式大型機械を生産しており、その9割以上を北米、欧州、アジアなど世界各地へ輸出しています。常陸那珂港区に隣接する茨城工場では組立・検査を終えた大型機械を輸送のために分解することなく、港湾専用道路を通って自走により出荷船積みが可能です。リードタイムの短縮により、製品を顧客によりタイムリーに届けられるようになったほか、製品輸送距離の大幅な短縮によるCO2の削減も実現しています。

 

コマツのグローバルな事業展開を支える茨城工場の機能について説明を受けた後、鉱山向け大型機械の組立工場を視察します(組立工場内はムービー、スチールとも撮影不可)。また、大型のダンプトラックやホイールローダーが自走により茨城港常陸那珂港区に出荷される様子を撮影します。

【写真提供:コマツ】

 

 

3. 東京ガス 日立LNG基地

 

都市ガスを製造する東京ガスのLNG基地は、現在4基地あり、そのうち日立港区内に立地する日立LNG基地は、3年前に操業を開始した最先端の基地です。東京ガスとして初めて東京湾外に建設したLNG基地であり、東京湾内の既存3基地と連携することにより、供給インフラ全体の安定性の向上を実現しています。

 

関東地方においては火力発電所、LNG基地等の重要なエネルギー供給拠点が東京湾岸に集中しており、首都直下地震等によりエネルギー供給が大きく損なわれることが懸念されています。政府は、エネルギー供給ライン、エネルギー供給設備の多重化・分散化によりエネルギー基盤の強靱化を進めることは日本の喫緊の課題であるとしています。

 

日立LNG基地の概要について説明を受けた後、LNG船を受け入れる大型桟橋、世界最大級のLNG貯蔵タンク(容量23万㎥、高さ約60メートル、直径約90メートル)、津波対策を施した各設備や天然ガス需要の増加に対応するために建設中の2号LNGタンクなどを視察します。

【写真提供:東京ガス】

 

 

Ⅱ.建設現場の人手不足を解決するITの活用

 

1. 日立建機ICTデモサイト

 

労働力不足が加速する中、土木・建設業界では生産性の向上を図るため、現場に情報通信技術(ICT)およびIoT技術を活用する取り組みが加速しています。2016年4月から国土交通省が推進するi-ConstructionをはじめとするICT施工が本格化しており、安倍総理も2016年9月、成長戦略の司令塔となる「未来投資会議」において、土木・建設現場の生産性を2025年度までに2割向上させることを目指すと宣言しました。ICTを活用した新たな手法を導入することで、これまで経験や勘に基づき進めてきた工程を「見える化」し、人手に頼っていた現場作業の効率を高めるとともに、土木・建設業界のイメージを払拭し、多様な人材を呼び込み人手不足を解消することなどが期待されています。

 

日立グループの一員で、キャタピラー(米国)、コマツと並ぶ世界三大建設機械メーカーのひとつである日立建機は、日立グループが有するICTや制御、IoTの技術を活用し、ICT施工に対応した建設機械の開発に取り組んでいます。その一つが、3次元マシンコントロール機能を搭載したICT油圧ショベルです。3次元設計データを取り込むことで半自動制御により施工を効率良く行うことができるため、熟練オペレータの確保が難しくなる中、オペレータの技量に左右されることなく安定した作業を実現できます。

 

常陸那珂工場内に併設された情報化施工の実演場「ICTデモサイト」で、飛行ロボット(ドローン)による測量やICT油圧ショベルによる施工などを視察し、建設現場におけるICTおよび先端技術の活用の現状を取材します。

【写真提供:日立建機】

 

 

Ⅲ.「下請け」を脱し、世界に挑む町工場

 

1. 茨城製作所

 

茨城県日立市は日立製作所の発祥の地であり、協力会社と呼ばれる同社のパートナー企業が集積しています。その一つ、茨城製作所は、1946年の創業から70年以上にわたり、日立製作所や日立グループ各社の協力会社としてモーターや発電機の製造や修理を手掛けてきました。

 

「モーター・発電機のスペシャリスト集団」を自認する茨城製作所が、同社初の自社製品として開発したのが、携帯型の軽水力発電機「Cappa+++」(以下、Cappa)です。開発の中心となったのは、オックスフォード大で物理学の博士号を取得した後に家業を継いだ菊池伯夫 現社長です。大人二人で持ち運べる重さ57㎏の水車発電機本体を小川や水路に沈めるだけで、水流を受けた内蔵プロペラが高速回転して発電する仕組みで、設置の際に大規模な工事は必要ありません。独自の形状の集水増速装置(ディフューザー)により、発電用プロペラのある取水口周辺の水流を増速することで、流水式の弱点とされる発電量の少なさを克服し、効率的な発電を実現しました。

 

現在同社ではJICAと共同で、ネパールの電力供給が不安定な地域や無電化地域に軽水力発電機で電力を供給し、生活水準を向上するプロジェクトを進めています。これまでに「Cappa」を6台と、それよりも小型で発電量が少ない「Kingyo」を3台それぞれ導入しており、将来的には製造工程の一部の現地生産を目指しています。菊池社長は「世界の4分の1は、未だ電気がない暮しをしている。川や水路で発電した小さな明かりがあるだけで、生活水準や教育環境の向上につながる」と話しています。

 

日立市十王町にある茨城製作所のデモサイトの小川を訪れ、菊池社長から「Cappa」について説明を受けた後、発電のデモンストレーションを撮影します。

【写真(右):©ibasei】

 

 

2. GLIT


茨城県日立地域は日立製作所の「下請け」の協力会社が集積し、企業城下町として発展してきましたが、1990年代以降の円高やグローバル化の進展により日立製作所の生産拠点が海外に移る中で、日立製作所と協力会社の関係は変化してきました。かつての「下請け」各社は自立的な事業展開により生き残りを模索しています。

 

そのようななか、日立製作所の協力会社である町工場が立ち上げた共同受注体「GLIT(Guild for Leading Innovative Technology)」が注目されています。参加するのは、デザイン、切削加工、金型製造などそれぞれがニッチな分野で高い技術力を有する中小企業10社。専門分野を持つ企業が共同で案件を受注し、必要な技術を持つメンバー企業がそれぞれの工程を担う仕組みです。町工場1社では難しい大規模なプロジェクトにも対応が可能になり、成長産業とされる「医療・介護」「航空・宇宙」「再生可能エネルギー」という分野への新規参入を目指しています。2015年の立ち上げ以降、医療機関向けの手術用器具、研究機関向けの実験装置などの納入実績を上げています。2017年からはドイツの医療器具展示会に出展するなど海外への販路拡大も積極的に進めており、現在は米大手医療機器メーカーとの商談も進んでいます。

 

時代が変化する中で、企業城下町の技術とネットワークを活用して世界に打って出ているGLITの取り組みについて説明を受けます。また、現在開発中の外科手術用の器具を製造する様子を視察します。

【写真提供:GLIT】

 

 

Ⅳ.茨城の伝統食「干しいも」、世界の健康食"HOSHIIMO"へ

 

1. 照沼勝一商店


さつまいもを蒸して、皮を剥いて乾燥させた「干しいも」は、茨城県を代表する特産品です。食物繊維のほか、ビタミン、カリウムなどの栄養分が豊富に含まれており、健康食品としても人気が高まっています。茨城県はさつまいもの農業産出額が全国第1位で、干しいもの全国シェアは9割以上。生産がピークを迎える冬には、生産農家が黄金色のいもを天日干しする光景が見られます。

 

農業生産法人「照沼勝一商店」(茨城県東海村)は、干しいも業界の大手の一つ。二代目社長の照沼勝浩さんは、農薬も化学肥料も使わない自然栽培の干しいもの生産にいち早く取り組んできました。2014年からはJICAの支援を受けてアフリカのタンザニアに進出し、タンザニア産の栄養価の高いサツマイモを使った干しいもの現地での製造・販売をはじめました。栄養価が高く保存がきく干しいもは、タンザニアの食糧事情の改善のほか、農家の所得向上や食品加工産業の育成にも貢献しています。健康志向の高まりとともに世界的にイモ類への関心が高まっているとして、同社はタンザニア産の干しいもを欧州に出荷する計画も立てています。照沼社長は「干しいもは世界に通用する健康食になる。近い将来、"HOSHIIMO"は世界共通語になる」と語ります。

 

照沼社長から、茨城の食文化としての干しいも、健康食である干しいもを世界に広めるための取り組みについて話を聞きます。また、生産がピークを迎えた干しいも加工場を訪れ、蒸し上がったサツマイモの皮を手作業で剥く熟練の技や貯蔵施設を視察します。

【写真提供(上段):照沼勝一商店】


 




【実施要領】

1. 日程:2019年128日(月)~29日(火)(12日)

 

2. スケジュール:

※日程は調整中のものであり、予告なく変更になる可能性があります。

128日(月)>

7:23-8:54             東京駅~勝田駅(ときわ51号)

9:30-11:15           コマツ茨城工場

11:30-12:15         茨城港常陸那珂港区

12:30-13:00         昼食

13:15-15:00         日立建機ICTデモサイト

16:00-17:15         GLIT

18:15                   宿舎着

 

129日(火)>

8:00                     宿舎発

8:30-10:00           照沼勝一商店

11:00-12:15         茨城製作所

13:00-13:45         昼食

14:00-16:00         東京ガス 日立LNG基地

16:35-18:13         大甕駅~東京駅(ときわ82号)

 

3. 参加資格:外務省発行外国記者登録証保持者

 

4. 参加費用:10,000

(全行程交通費、宿泊費(朝食込み)、昼食(1日目、2日目)を含む)

※申し込み後に参加をキャンセルされる場合、理由の如何を問わず、以下のキャンセル料をお支払いいただきます。

125日(金)1500までのキャンセル 5,000

・それ以降のキャンセル 10,000円(参加費用全額)

 

5. 募集人数:10名(各社ペン1名、カメラ1名、TV12名まで)

※申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

6. FPCJ担当:

取材協力課 菅原順也、石田恵

Tel: 03-3501-3405E-mail: ma@fpcjpn.or.jp

 

7. 備考:

1)本プレスツアーはG20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合推進協議会が主催し、公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)が企画・運営を担当しています。

2)本ツアーの内容は、予告なく変更になる可能性があります。

3)参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。

4G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合推進協議会、及びFPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して一切責任を負いません。

5)写真・TV撮影に関しては、担当者の指示に従ってください。

6)本ツアーは、報道を目的とした取材機会の提供を目的としているため、参加者には、本国での報道後、FPCJを通じG20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合推進協議会に、記事、映像、音声(ラジオの場合)のコピーの提出をお願いしています。また、報道が英語・日本語以外の場合は、内容を把握するため英語または日本語の概要の提出も併せてお願いしています。参加申込者は、これらに同意いただいたものとみなします。

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