注目の日本報道

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注目すべき海外メディアの日本報道(2012年10月30日)

投稿日 : 2012年10月30日

1.日中関係

(1)フランクフルター・アルゲマイネ紙(ドイツ)のカーステン・ゲルミス東京特派員は、23日付の記事で、中国と日本は世界第2、第3位の経済大国であることから、中国政府の乱暴な政策が原因の中国国内での日本製品不買運動は、世界景気の息の根をさらに止めてしまう危険があると指摘。その上で、国際社会は、国内の国粋主義的な感情を煽り法秩序も無視するような国が果たして国際社会でより大きな発言権を得るべきなのか疑問視せざるを得ない、と中国政府の一連の姿勢を批判した。

 

(2)インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙(米国)の「中国と日本には他に非難すべきものがある」(23日付、ロイター電)は、今年9月の日本の輸出の落ち込みは尖閣諸島を巡る反日暴動デモが原因であると見られているが、デモの真の原因は中国自身の経済問題(成長の急激な鈍化と輸出の不調)にあり、日本と中国の輸出の落ち込みの原因は、いずれも欧州における需要の落ち込みであると報じた。

 

(3)ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)のコラム・マーフィ記者は「中国経済、日本車の販売減で打撃を受ける」(24日付)で、中国南部の自動車生産都市では、日本車販売減少による生産調整の影響が出始めていると指摘。さらに、中国は現在、経済成長率の鈍化に直面しており、そのことは中国が日本との緊張緩和を図る動機になるかもしれないと伝えた。

 

(4)人民日報(中国)は、22日付の「日本メディアは自重すべき」で、日本のメディアは「釣魚島」(尖閣諸島の中国名)問題を巡って根拠もなく中国脅威論を煽り、両国を離間させようとしていると批判。中国の脅威を騒ぎ立てるなら、「これまでに中国の兵士が一人でも日本に足を踏みいれたことがあったか?」「日本で一発でも銃弾を撃ったことがあったか?」「今は何年なのか?」を考えてみるべきだ、と論じた。
http://paper.people.com.cn/rmrb/html/2012-10/22/nw.D110000renmrb_20121022_11-02.htm
日本語版
http://japan.people.com.cn/204937/7986260.html

 

2.福島第一原発

(1)ソウル新聞(韓国)の李鍾洛東京特派員は、「特派員コラム」欄の「日本は放射能を克服できるか」(20日付)で、短期間で作業が収束したが人の住めない「死の土地」が残ってしまったチェルノブイリのケースと対比させながら、日本は放射能に汚染された地域で人々が再び生活できるよう懸命の除染作業を続けており、成功すれば世界初のことだと指摘。「独島」問題や歴史問題はそれとして、原発事故の苦しみにもかかわらず放射能との戦いという難しい課題に打ち勝とうとしている愚直な日本人の姿を私たちは評価しなければならない、と述べた。
http://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20121020026008&spage=1

 

3.気候変動問題

(1)ワシントン・ポスト紙(米国)のチコ・ハーラン東京支局長は、「日本の京都議定書に関する公約の達成は困難」(21日付)で、日本政府の関係者が2020年までに温室効果ガスの排出量を25%削減するとの公約を実現できる可能性は乏しいと明かしたことを取り上げ、「脱原発」政策への転換に起因するものだが、かつて気候変動に関する国際合意の先頭に立っていた国における驚くべき後退だ、と述べた。
http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/in-japan-need-of-fossil-fuels-pushes-climate-change-targets-to-back-seat/2012/10/20/459e2aac-183f-11e2-9855-71f2b202721b_story.html

 

<関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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