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注目すべき海外メディアの日本報道(2013年8月30日)

投稿日 : 2013年08月30日

注目すべき海外メディアの日本報道

(8月19日~8月25日)

2013年8月30日

 

 

1. 福島第一原発の汚染水漏れを各メディアが報道

 

東京電力は8月20日、福島第一原子力発電所のタンクから高濃度の放射能汚染水約300トンが漏れたと発表した。漏出した放射性物質の総量は約24兆ベクレルと推計。21日には、高濃度の汚染水が海に向かう配管・ケーブル用のトンネルを通じて直接海に流出している可能性が高いと発表した。原子力規制員会は28日、貯蔵タンクからの汚染水漏れについて、原発事故の国際評価尺度(INES)に基づく暫定評価を「レベル3」(重大な異常事象)に引き上げることを決めた。

 

21日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)は、東京発のMari Iwata記者による記事で、汚染水漏れは東電への「最新の打撃」と形容。住民は避難を続けており、海洋での放射線量にそれほど影響は出ていないようであるため差し迫った脅威ではないとしたうえで、東電が適切に現場を管理できていないサインだとみる政治家や専門家らの見方を伝えている。同日付ワシントン・ポスト紙(米国)は、際限なく発生する汚染水の保管の命運を左右するタンクの信頼性が揺らいでいるとするAP通信の記事を転載。同日付ロサンゼルス・タイムズ紙(米国)は、チェルノブイリ後最悪の惨事となった福島第一原発での深刻な失敗だと報じた。同日付フランクフルター・アルゲマイネ紙(ドイツ)は、パニックを煽ることを好まない日本の当局が原子炉は制御不能になる恐れがあると語るのであれば信じた方がいいと報道。日本政府も東電も、汚染水流出を食い止めるために世界最高峰の頭脳を集めて取り組ませようとの帰結に至ることはできないようだとした。同日付アイリッシュ・タイムズ紙(アイルランド)は、東京発のディビッド・マクネイル記者による記事で、汚染水が及ぼす漁業資源への影響についての懸念を示した韓国政府を引き合いに、汚染水漏れは外交問題に発展したと指摘した。

 

22日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)は、フレッド・デボラック東京副支局長による記事で、汚染水の問題は東電と監督者である政府当局が先の計画を持たず、ずっと以前から予期されていた問題への対応を放置してきたことに原因があるとの専門家らの声を伝えた。同日付トロント・スター紙(カナダ)は、次々と汚染水漏れが発生することを最も恐れており、一度起きたことはまた起こりうると考え準備すべきだとする原子力規制委の田中委員長の発言を交えた、Mari Yamaguchi記者によるAP通信の記事を転載した。

 

24日付ニューヨーク・タイムズ紙(米国)は、東京発の田淵広子記者による記事で、20万トン以上もの汚染水が漏出しやすい一時しのぎのタンクに入っており、内部を確認したり移送したりする確実な方法はないとの東電の発表にふれ、福島第一原発の深刻な脆弱性を浮き彫りにしたと報じた。

 

 

2. イチローの4000本安打達成を米各メディアが称賛

 

米大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースのイチロー外野手(本名・鈴木一朗)が8月21日、日米通算4000安打を達成した。

 

22日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)は、ジラルディ監督の「驚異的な偉業」だとの発言を紹介。同日付ニューヨーク・タイムズ紙(米国)は、日本での安打を計上するか議論はあるが、この節目はチームメイトやファンにとってイチローは球界の巨人であると確立するのに役立ったと伝えた。米CBSが同日の番組で、ヤンキーススタジアムで新たな歴史が刻まれたと報じたほか、米FOX、米ABC、米NBC、米NY1でも21日から22日にかけ、報道された。

 

 

<関連リンク>

外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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