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注目すべき海外メディアの日本報道(2013年8月9日)

投稿日 : 2013年08月09日

 「注目すべき海外メディアの日本報道」では、日本発のものを中心に、日本のみなさまに知っていただきたい日本関連の報道をご紹介し、できるだけオリジナルの記事(Web版)へのリンクも貼っております。

 

注目すべき海外メディアの日本報道
(7月29日~8月4日)

2013年8月9日

 

 1. 麻生財務相の発言を各メディアが報道

 

麻生副総理・財務相は7月29日の憲法改正に関する講演で、ドイツのナチス政権を引き合いに「手口を学んだらどうか」と述べ、批判を浴びた。麻生氏は8月1日、「落ち着いて議論をすることが重要だ」との講演の趣旨を強調し、誤解を招いたとしてナチス政権を例示した発言を撤回した。

 

1日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版(米国)は、Mitsuru Obe記者らによる記事で、率直で失言癖のある麻生氏は今回、誤解を解く努力を今までになく重ねているようだと報道。同日付ロイター通信電子版は東京発の記事で、麻生氏の騒動と政府のもみ消そうとする努力は、タカ派の安倍総理が直面しているセンシティブさを浮かび上がらせたと論じた。

 

2日付AP通信電子版(米国)は、東京発のMari Yamaguchi記者らによる記事で、麻生氏はナチス政権に関する発言をめぐり、辞任や謝罪を拒否したと指摘。同日付ニューヨーク・タイムズ紙電子版(米国)は、マーティン・ファクラー東京支局長による記事で、麻生氏の発言に関する論争は、70年以上前の出来事への感情が安倍氏に政治的なダメージを与え、アジア諸国のみならず潜在的には米国との絆さえも傷つけうるほど強力なものであることを浮き彫りにしているとした。同日付フィナンシャル・タイムズ紙(英国)は、ジョナサン・ソブル東京支局長による記事で、麻生氏の発言をめぐる騒動は、与党である自民党の多くを占める保守派が修正主義的な夢をあきらめていないことを気付かせると表現。同日付CNN電子版(米国)は、中国、韓国両政府からの批判の声を伝えた。同日付フランクフルター・アルゲマイネ紙(ドイツ)は、カーステン・ゲルミス東京特派員の記事で、麻生氏は誤解だと述べたが、ほとんど誤解される余地のない発言だったと断じた。

 

2. 消費税増税の行方に注目集まる

 

2014年4月に予定される消費税率8%への引き上げについて、今秋判断するのを前に、政府は8月中にも有識者から景気への影響や経済政策について意見を聞く方針。

 

7月31日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)は、望月崇記者による記事で安倍総理が有識者会合を設置する見通しを報じ、増税の再考を求める側近の提案によるものだとした。同日付フィナンシャル・タイムズ紙(英国)は、「安倍氏の消費税の難問 日本はためらうべきではない」との社説を掲載。日本はより安全な財政基盤を持つべきであり、消費税増税は他の選択肢よりも望ましいとした。一方、8月2日付同紙は、「日本は失われた10年から何も学んでいない」とのアナリストのPeter Tasker氏の寄稿文を掲載。1997年の消費税増税が日本を10兆円の財政の崖から突き落とすことになったと指摘した。3日付エコノミスト誌(英国)は、東京発の「タクソノミクス(Taxonomics)」で、消費税増税により税収増加よりもむしろ経済成長の停滞を招くことは懸念されるが、増税自体を完全に見送ることは考えられないと論じた。

 

<関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

 

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