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注目すべき海外メディアの日本報道(2015年6月8日)

投稿日 : 2015年06月08日

注目すべき海外メディアの日本報道

(5月28日~6月1日)

 

平成27年6月8日

 

口永良部島の噴火、小笠原諸島沖の地震などについて、各国メディアが報じる

日本時間の5月29日午前、鹿児島県屋久島町の口永良部島で、爆発的噴火が発生した。噴火した新岳では、一時約9000メートル以上の噴煙が上がり、火砕流の一部が海岸まで流れ出た。気象庁は、噴火警戒で最高レベルの「5(避難)」を発出し、約120人が島外での避難生活を余儀なくされている(6月4日現在)。また、この噴火から2日後の31日夜、小笠原諸島沖の深海を震源とするM8.1(速報時はM8.5)の巨大地震が発生。大きな被害はなかったが、震度5強を記録した神奈川県などを含む全都道府県で震度1以上の揺れが観測された。日本国内では、箱根山(神奈川県)の噴火警戒レベルが引き上げられるなどの動きもあり、活発化する火山活動や地震への警戒が全国的に高まっている。

 

こうした一連の事態の日本国内の“不安”を、各国メディアが報じている。口永良部島の噴火について、AP通信電子版(米国)は、「日本の南の島で、火山が噴火」(28日付)を東京発で掲載。箱根の火山活動や、昨年9月に発生した御嶽山(長野・岐阜県境)の噴火とともに、「東日本大震災以降火山活動が活発になっており、今後もこうした火山活動が続く可能性がある」などとする日本の専門家の見解を紹介した。AFP通信電子版(フランス)も、翌29日付けで「日本:爆発的な噴火で小さな島の島民が避難」を掲載した。また、ガーディアン紙電子版(英国)は、同29日付けで、ジャスティン・マッカリー東京特派員などによる「新岳:日本の火山の大規模噴火の瞬間」(29日付)を報じ、噴火の様子をとらえた一般人のツイッター写真などを紹介。中央日報日本語電子版(韓国)も、同29日付けで「日本の口永良部島で爆発的噴火」で、を載せた。また、朝鮮日報日本語電子版(韓国)は、金秀恵東京特派員のコラム「【記者手帳】口永良部島に見る日本の底力」(1日付)で、噴火が発生してから全住民の無事が確認されるまで、わずか21分しかかからなかったことを紹介し、「口永良部島の21分には、日本人の底力が凝縮されている」として、日本人の安全確認体制や避難の迅速さを称賛した。

 

日本時間の30日夜に発生した地震についても、直前の口永良部島の噴火の他、その他の火山活動や地震と関連づけた報道が目立った。また、人的被害や原子力発電所の異常はなかったものの、交通網や都心の高層ビルでエレベーターが停止し、上階に取り残される人が相次いだことも伝えられた。大手通信社では、ロイター通信電子版(米国)が、30日付けで、竹中清記者「マグニチュード8.5の地震が東日本沖で発生 津波の危険や被害の報告はなし」を東京発で速報。口永良部島と御嶽山の噴火にふれたうえで、新幹線の運転見合わせや、都内のダイヤの乱れを報じた。AFP通信電子版は、31日付けで「専門家、最近の強い揺れをふまえて日本は次の巨大地震に警戒するよう警告」を掲載。東日本大震災以降に発生した主な火山活動や地震を振り返りつつ、「いつ大地震がおきてもおかしくない」などとする専門家のコメントを載せた。AP通信電子版は、山口真理記者「地震で12人けがも日常の生活に戻る」(31日付)を東京発で報じ、六本木ヒルズのエレベーターが停止し、数百人が高層階から階段を降りて避難したことなどを伝えた。

 

このほか、BBC通信電子版(英国)は、30日付けで、「日本の地震:東京で地震が発生した瞬間の映像」を掲載し、東京都内にあるNHK放送局が揺れる映像を紹介。また、フィナンシャル・タイムズ紙電子版(英国)が、ショーン・シュローター記者「日本の太平洋沖でM7.8(米地質研究所の発表)の地震が発生」(31日付)を東京発で報じたほか、ロピニオン紙(フランス)は、クロード・ルブラン記者「大震災の可能性に備える日本人」(6月1日付)で、巨大地震が発生した場合に原子力発電所の安全性が懸念されると報じた。

 

 <関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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