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注目すべき海外メディアの日本報道(2015年5月13日)

投稿日 : 2015年05月13日

注目すべき海外メディアの日本報道

(5月6日~5月7日)

 

平成27年5月13日

 

欧米や韓国の主要メディア、米国の日本研究者らによる声明について報じる

5月5日、米国の日本研究者ら187人が「日本の歴史家を支持する声明」を公表した。声明は、戦後日本が守ってきた民主主義、自衛隊への文民統制、警察権の節度ある運用、政治的な寛容さは世界の祝福に値するものの、「慰安婦」制度を中心とする歴史解釈の問題がそうした祝福の障害になっていると指摘。今年は、日本政府が言葉と行動において植民地支配と戦時中の侵略の問題に立ち向かう絶好の機会であるとした上で、過去の過ちについて可能な限り包括的で、でき得る限り偏見なき清算を共に残そうと呼び掛けた。署名には、マサチューセッツ工科大学のジョン・W・ダワー名誉教授、シカゴ大学のノーマ・フィールド名誉教授、ハーバード大学のエズラ・ヴォ―ゲル名誉教授ら世界的に著名な学者が数多く名を連ねた。

 

AFP通信電子版(フランス)は、7日付・東京発で「第二次世界大戦:米国の学者ら、日本が過ちを認めるよう促す」を掲載。声明には日本の一部の政治家が過去の帝国主義の歴史を読み替えようとしていると暗に批判した部分もあり、今夏にどのような戦後70年談話が出されるのかに注目が集まっていると報じた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙電子版(米国)は、同日付で在京の林由佳記者による「歴史家ら、戦争の記録を正すよう日本に促す」を掲載。トップレベルの東アジア専門家ら数多くの研究者が署名している点を踏まえ、今回の声明は、日本政府の歴史に対する姿勢を批判する最近の他の声明とは区別されるべき際立ったものと指摘しつつ、この声明は歴史問題を巡って近隣国と衝突して来た安倍首相を批判したと報じた。同日付フィナンシャル・タイムズ紙電子版(英国)掲載のロビン・ハーディング東京支局長による「世界の研究者ら、‘慰安婦’に関する安倍首相の姿勢を非難」は、この声明は、世界の研究者らが歴史を巡る日本の議論の方向性に不安を感じていることの表れだと指摘。先の訪米が大枠で成功したからと言って、歴史認識を巡る過去の言動に対する西洋諸国の批判から解放されるわけではないとの安倍首相へのメッセージでもあると報じた。

 

韓国のハンギョレ新聞日本語電子版は、6日付で「世界の歴史学者187人『日本にとり今年こそ植民支配問題を解決する機会』」を掲載し、声明の主要部分を報じたほか、同日付 で声明の公表を主導した一人である米国・コネチカット大学のアレクシス・ダデン教授へのインタビュー記事を載せた。中央日報日本語電子版は7日付で「『慰安婦を否定するな』…世界歴史学者187人が安倍首相に警告状」を掲載。声明は、戦後70周年談話を準備中の安倍首相が「慰安婦」を含む過去の歴史に対する明白な謝罪をせずに未来を述べた場合、「世界の歴史学会と戦争をしなければならないとの予告だ、との指摘が出ている」と報じた。

 

 

<関連リンク>

外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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