注目の日本報道

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注目すべき海外メディアの日本報道(2012年10月17日)

投稿日 : 2012年10月17日

1.日中関係

(1)ストレイツ・タイムズ紙(シンガポール)の関永堅東京支局長は、10月6日付の記事「日本の礼節は二国間争いにおける模範」で、現在の状況が長期化又は悪化することは日中両国や地域全体にとってもマイナスであり、両国が再び交渉の席に着いて問題の再度の棚上げに合意するためにも、日本は「領有権争いは存在しない」との従来の立場を改めて、現実に向き合う必要がある、と論じた。その一方で、この数週間、中国側の「甲高く、けんか腰の言葉遣い」とは対照的に、日本は世界に対して外交の模範といえる礼節を示して来たと讃え、中国に対してそのような礼節を求めた。

 

(2)6日付のネイション紙(タイ)の社説「中国と日本はナショナリズムという獣を鎖につなげ」は、中国政府は反日感情の政治的利用をやめ、日本との関係が自国の経済や東アジア全体の安定にとって重要であることを認識すべきだと指摘。さらに、もし自らの主張に自信があるならば中国は国際司法裁判所に問題解決への助けを求めることを拒否すべきではない、などと論じた。
http://www.nationmultimedia.com/opinion/China-Japan-must-tether-the-beast-of-nationalism-30191775.html

 

(3)外務省はホームページに、1953年1月8日付の人民日報(中国)の記事を掲載し、「(この記事には)『琉球諸島は、(中略)尖閣諸島、先島諸島、大東諸島、沖縄諸島、大島諸島、トカラ諸島、大隅諸島の7組の島嶼からなる』という記述があり、中国が尖閣諸島を沖縄の一部と認識していたことが分かる」と指摘した。(→外務省ページへのリンク)10月7日付の文匯報(中国)は、これについて、「日本政府の説明はこじつけであり、自らを欺き、人を欺くものだ」との専門家のコメントを掲載した。
http://paper.wenweipo.com/2012/10/07/CH1210070005.htm

 

(4)オブザーバー紙(英国)は、7日付記事「中国は、グローバル化した世界経済においては孤立した国など存在しないことを知るべき」で、これまで中国は日本企業の投資で利益を得てきたが、日本企業は今後インドネシアやフィリピン、そして新生ミャンマーに目を転じるだろうとの情報筋の話を紹介。さらに、IMFも日中間の争いが世界経済の回復の妨げになると見ていると伝え、中国政府は日本の投資なしでも大丈夫だと考えているのだろうが、それは誤りであり、世界全体に影響を与えるだろう、と結んだ。
http://www.guardian.co.uk/business/2012/oct/07/japan-china-senkaku-islands

 

2.日本外交

(1)ストレイツ・タイムズ紙(シンガポール)のウィリアム・チョン記者は、「日本の『普通の国』への転換」(4日付)で、日本が「右寄り」に進んでいるのは事実だが、それは「左」から「中道」になろうとしているだけだ、と指摘。日本が常備軍を有し、地域と世界の安全保障にも貢献するような「普通の国」になるまでの道のりは、中国等からの反発も予想され平坦ではないだろうが、日本が「普通の国」になることは正常なことであり、不安視する必要はない、と述べた。
http://www.asianewsnet.net/home/news.php?id=37197&sec=3
(参考)FPCJでは、IMF・世界銀行年次総会の取材のために来日したチョン記者の日本での取材を支援した

 

(2)中央日報(韓国)の金玄基東京総局長は、安倍・自民党新総裁の誕生を取り上げた6日付のコラム「グローバルアイ」で、「安倍自民党」の顔ぶれは「歪曲された歴史観で武装した右翼議員の布陣」であり、「安倍総理」が誕生した場合には「安倍氏の偏狭なアジア観」を矯正するブレーキ役がいないことが懸念されることから、今後数年間、韓国は「安倍氏の独走」を見守らなければならないだろうと論じた。
http://article.joinsmsn.com/news/article/article.asp?total_id=9508768&ctg=20
日本語版
http://japanese.joins.com/article/810/160810.html?servcode=100§code=140

 

(3)ウォール・ストリート・ジャーナル紙(米国)のヨリー・コー記者は、8日付の記事「日本、ミャンマーの債務問題解決に意欲」で、東京で開催されるIMFの年次総会では、改革が急速に進むミャンマーの債務問題も重要な議題となると報じ、日本はホスト国としてミャンマーの滞納債務軽減に関する協定を仲介することで、同国の世界経済への復帰を先導する役割を確固たるものにしようとしている、との見方を伝えた。
http://online.wsj.com/article/SB10000872396390443493304578037801602419648.html

 

<関連リンク>
外務省「世界が報じた日本(海外主要メディアの日本関連報道)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/sekai/index.html

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