記者招聘事業(報告)

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実施日 : 2014年03月19日

報告:情報発信者会議2014「ASEANへの情報発信強化」

投稿日 : 2014年03月26日

8パラFPCJでは、「ASEANへの情報発信強化」をテーマとしたシンポジウムを開催しました。本シンポジウムでは、朝日新聞社の真田正明論説委員を迎えて基調講演を行って頂きました。パネリストにはバンコク・ポスト紙総編集長のPichai Chuensuksawadi氏、ミャンマーMRTV-4共同創立者・ディレクターのKhin Maung Htay氏とシンガポール・プレス・ホールディングスの聯合早報日本特派員のFoo Choo Wei氏をお迎えしました。シンポジウムには、企業・大学・地方自治体の海外広報担当者、大使館関係者、そして東京に常駐している海外メディアの特派員の合計73名が参加しました。

 

2パラ

 

 

FPCJ赤阪清隆理事長の開会の挨拶では、近年の協力関係の緊密化で日本のASEANへの興味が増したことにふれました。そして、日本のプレスがASEAN各国で数多くの特派員を置いているのに対し、ASEAN諸国から日本に派遣されている記者の数は少なく、大きな差があると指摘し、このシンポジウムは日本からASEAN諸国に向けてより活発に情報発信を行うためには、どうすればよいのかを参加者とともに考える機会になるよう願っていると述べました。

 

 

 

 

 基調講演:朝日新聞社 論説委員(元アジア総局長)真田正明氏

 

真田論説委員は基調講演で初めに、日本と欧米のメディアの規模には明白な違いがあるが、ASEAN諸国に置く特派員の数は、同程度であると指摘されました。「日本とASEAN諸国の情報交流の歴史は片思い―知りたい時に相手が振り向かない」と述べつつ、近年では互いに関心を持つ機会が復活しており、2020年の東京オリンピックは、日本の様々な情報をも世界に発信する大きなチャンスになると論じました。

 

基調講演に続いて、各パネリストからもご発言いただきました。

 

4パラ

 

 

 

Pichaiバンコク・ポスト紙総編集長は、アジアでの日本の重要性について話されました。そして、タイにおける日本への関心の高さは、マンガ、テレビ番組やゲーム、そして日本食のレストランの数が示していることを紹介しました。日本からタイへの情報発信の一番の妨げになっているものは言語の違いであり、現地のテレビ局が海外のコンテンツをタイ語に訳すための資金を持っている場合にはこの問題は解決出来ると話された他、タイでのケーブルテレビと衛星放送、そしてソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の成長が情報発信の機会にもなることに言及されました。

 

 

 

 

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Khin MRTV-4共同創立者・ディレクターは近年のミャンマーの民主化がどのような影響を現地のニュースメディアに及ぼしたかについて話されました。ミャンマーでは、報道の自由化が進む中で、報道の倫理と行動規範が課題になっていること、ミャンマーでは日本のコンテンツが人気があるものの、言語や価格の問題がその拡充を妨げていると指摘されました。

 

 

 

 

 

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Foo日本特派員(シンガポールプレスホールディングス聯合早報)は、小規模な市場でありながら、デパートを含む、日本の企業が1970年代から進出していて、かなりの存在感があったと話されました。日本から情報発信を行う上で、海外メディアの特派員が日本を理解する重要性について話されました。その中で、日本での日常生活の中で記事のヒントを得た話や、外国では知られていない発信すべき日本の有益な情報がまだ沢山あることを強調されました。

 

 

 

 

 

 

各パネリストの発言を受けて真田論説委員は、「タイでのテレビとSNSの成長が直接情報交換の機会を増やすであろう。民主化前のミャンマーは取材のしにくい所だったが、民主化により将来に向けての無限の可能性が広がっている」。とコメントされました。最後にシンガポールが日本をよく理解していることと、シンガポールが他のASEAN諸国へ向けての情報発信の拠点としての役割を担っていると総括されました。

質疑応答では、1)アジアの普遍的な価値観とASEANの日本教育の情報への興味の度合い、2)日本がどういうメッセージを外国のニュースメディアに発信しているか、3)メディアが扇動的な発言をどう報道すべきか、そして4)中国と日本の外国向けの情報発信の姿勢について話が及びました。

 

 

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