プレス・ブリーフィング(報告)

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実施日 : 2016年11月09日

報告:「平成28年版犯罪白書」(法務省法務総合研究所の田中秀樹・総括研究官)

投稿日 : 2017年01月17日

犯罪白書web11月9日、FPCJでは法務省法務総合研究所の田中秀樹・総括研究官をお招きし「平成28年版犯罪白書」についてご説明いただきました。同ブリーフィングには、ベルギー、フランス、韓国、台湾、シンガポール、ブラジル、バングラデシュなどの外国メディアの記者12名を含む17名が参加しました。

 

白書では、2015年の統計数値に基づき、日本の犯罪の動向等について分析・紹介しており、今年は「再犯の現状と対策のいま」を特集テーマに取り上げています。

 

まず、田中総括研究官は、犯罪の動向について、刑法犯の認知件数が2002年をピークに13年連続で減少し、戦後最少を記録したこと、その一方で、振り込め詐欺を含む特殊詐欺、ストーカー犯罪、児童虐待の事件が増加していること、覚せい剤取締法違反の検挙人員が毎年1万人を超えていることなどを説明しました。

 

また、犯罪情勢として目立つ点として、次のとおり説明がありました。

 

65歳以上の高齢者の刑法犯検挙人員が20年間で約3.8倍に増え、全体の検挙人員の約2割を高齢者が占め、刑務所に入所する高齢受刑者のうち、7割近くが再入者である。また、女性の刑法犯検挙人員は、2005年をピークに減少しているが、例年、刑法犯検挙人員の約2割を占めており、女性の刑法犯検挙人員の約3割が高齢者であり、しかも、そのうち約8割が万引きにより検挙されている。

 

今回の白書の特集「再犯の現状と対策のいま」については、同テーマを特集とした背景には、日本が「世界一安全な国、日本」を目標として、政府を挙げて犯罪対策に取り組んでいるとし、次のように説明しました。

 

2015年中の入所受刑者総数のうち、再入所者が占める割合は約6割であり、2011年に刑務所を出所した者の4割近くが5年以内に再び受刑し、その約半数は2年以内に受刑している。2014年に刑務所を出所した者のうち、2015年末までに再び入所した者の割合(2年以内再入率)は、18.5%である。2年以内再入率について詳しく見ると、年齢層別では、高齢者の再入率は10年のスパンでは低下傾向にあるが、他の年齢層と比べると、依然として高い。男女別では、女性の再入率は男性よりも低いものの、わずかながら上昇傾向にある。罪名別では、窃盗の再入率は23.3%と、他の罪名と比べると、一貫して高いものの、10年のスパンでは低下傾向にある。一方で、覚せい剤の再入率は20%前後で推移しており、2014年の出所者では、前年出所者より1.2ポイント上昇している。窃盗と覚せい剤については、再入率が高いだけでなく、出所受刑者の過半数を占めている。

 

最後に、再入率を中心とした分析結果などを踏まえ、今後の検討課題として、「高齢者」「女性」「窃盗」「覚せい剤」の分野についてより一層重点的・集中的な対策が必要だと述べました。

 

質疑応答では、銃火器による殺人件数、検挙率、少年犯罪と高齢者犯罪が増えている原因、外国人による犯罪の現状、不起訴件数が多い理由などの質問が出ました。

 

平成28年版犯罪白書

 

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