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実施日 : 2015年12月09日

「日本の美意識とワザをクールに売る ~クールジャパン機構の投資戦略~」太田伸之・クールジャパン機構 代表取締役社長

投稿日 : 2016年01月13日

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2013年11月に「日本の魅力」を産業化して海外需要を獲得するための官民一体の投資ファンドとして「クールジャパン機構(株式会社海外需要開拓支援機構)」が設立されて2年を機に、同機構の太田伸之代表取締役社長をお招きし、これまでの成果と今後の展望についてお話し頂きました。同ブリーフィングには、中国、韓国、米国、フランスの記者7名を含む、20名が参加しました。

 

冒頭、太田社長は世界のクリエイティブ産業(食・ファッション・コンテンツ等のソフトパワーと呼ばれる分野)のこれまでの変遷に触れ、米国政府がニューディール政策で芸術分野における人材育成に支援したことが、ハリウッド映画等のクリエイティブ産業の成功に繋がった例を紹介しました。一方、日本では十数年程前から政府がクリエイティブ産業を支援する具体策の検討を始め、規制緩和により大学でファッションや映画製作の教育が認められる等の動きも出てきたとの見解を示しました。また、日本のクリエイティブ産業はゲームを除く殆どの分野で輸入超過となっている現状を踏まえ、海外の需要を獲得し、日本の成長につなげることの重要性を述べました。コンテンツの分野では、日本の放送コンテンツの輸出額が、日本より人口の少ない韓国に比べても小さい点を指摘し、韓国よりも更に輸出額の大きい英仏に並ぶ規模を目指したいと語りました。そして今後は、2020年までに1.5倍の成長が予測される世界の食市場に注目し、食を原動力にクールジャパンを推進したいと述べました。

 

続いてクールジャパン機構の概要と活動内容を紹介し、同機構の特徴について、民間の金融機関と違って短期間でのハイリターンを求めることがないことや、投資の規模も大小を問わないことを挙げ、民間の金融機関からの資金調達が困難な事業にリスクマネーを供給することが目的であると述べました。また、投資判断の3つの条件として、1)政策的意義、2)収益性の確保、3)波及効果を挙げ、これらに基づいて投資案件を選定する方針を説明しました。

 

2年間の成果である13案件への総額約319億円の投資の内訳は、メディア・コンテンツ関連が6件(159億円)、モール開設等ライフスタイル関連が3件(122億円)、食・サービス関連が4件(39億円)となっており、その中でも、日本茶を菓子・陶器とあわせて長崎県発「日本茶カフェ」として米国に売り込む事例や、パリで日本各地の地域産品をプロモーションし継続して現地での販売・卸につなげる事業が紹介されました。太田社長は、投資対象となる事業は「日本の職人のワザや美意識」が伝わることが大事だとし、必ずしも「和」でなくても良いという方針で臨んでいると述べました。

 

最後に、これから力を入れる分野はインバウンド観光であるとし、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた投資を検討していると述べました。また、今後の課題として、1)外国人目線の文化発信を意識すること、2)オールジャパンで取り組むこと、3)日本をブランディングすることを挙げ、「外国人から見た日本文化の良さをひもとき、クールジャパンそのものである日本の美意識やワザを見せながら、オールジャパンで海外に向かうことが重要である。また、日本のブランディングに当たっては、かつての時代のように性能と安さを売りにするのではなく、値段が高い理由をきちんと説明して売ることが大事である。」と語りました。

 

記者からは、投資事業で得た利益をどのように日本に還元するのか、機構の活動はどのように日本経済へ貢献するのかといった質問が出ました。

 

 [ブリーファー]

太田伸之 クールジャパン機構 代表取締役社長

 

 

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