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野田総理、原発事故の収束に向けた道筋の「ステップ2」完了と宣言(2011年12月22日)

投稿日 : 2011年12月22日

【ウォッチ・ジャパン・なう vol.15/FPCJ】

2011年12月22日

 

 

野田総理、原発事故の収束に向けた道筋の「ステップ2」完了と宣言

 

12月16日、野田佳彦総理は、東京電力福島第一原子力発電所事故について総理官邸で記者会見し、原発事故の収束に向けた道筋の「ステップ2」が完了したと宣言しました。

 

福島第一原発事故の収束に向け4月17日に公表された工程表は、原子炉と使用済み燃料プールの安定的な冷却や、放射性物質による汚染水(滞留水)の保管場所の確保などを目指す「ステップ1」と、原子炉の冷温停止状態や燃料プールのより安定的な冷却、汚染水の保管・処理施設の拡充、除染(再利用)などを目指す「ステップ2」からなります。「ステップ1」は7月中旬に完了しており、「ステップ2」の冷温停止状態は、各原子炉圧力容器底部の温度が100度以下になり、外部に漏れる放射線量が年間1ミリシーベルト以下になることを達成の要件としていました。

 

同記者会見で、野田総理は「専門家による緻密な検証作業を経まして、安定して冷却水が循環し、原子炉の底の部分と格納容器内の温度が100度以下に保たれており、万一何らかのトラブルが生じても敷地外の放射線量が十分低く保たれる、といった点が技術的に確認をされました。これを受けて本日、私が本部長を務める原子力災害対策本部を開催をし、原子炉が冷温停止状態に達し発電所の事故そのものは収束に至ったと判断をされる、との確認を行いました。これによって、事故収束に向けた道筋のステップ2が完了したことをここに宣言をいたします」と述べました。

 

野田総理は更に、今後の道筋について「政府としては改めて今後のロードマップを明確にし、発電所の安全維持に万全を期しながら、廃炉に至る最後の最後まで全力を挙げて取り組んで参ります」と決意を述べました。その上で今後徹底すべき原発の外での課題として、除染、健康管理、賠償の3点を挙げました。除染対策については、(1)当面の費用として1兆円を超える額を用意、(2)政府の除染事業推進担当者を来年4月には400人規模に拡充し、(3)現場の除染作業員も同月を目処に3万人以上を確保する予定であると述べました。

 

また16日、「ステップ2」完了に伴い、政府と東京電力は従来の「統合対策室」を廃止し、新たに枝野幸男経済産業相と細野豪志原発事故収束・再発防止担当相を共同議長とし、福島第一原発1~4号機の廃炉計画を検討する「中長期対策会議」を設置しました。

 

21日、同会議は初会合を開き、福島第一原発1~4号機の廃炉に向けた中長期ロードマップを決定しました。同ロードマップは、廃炉までの期間を3つに区分、第1期では、今後2年以内を目標に使用済み燃料プール内の燃料取り出しを開始します。続く第2期では、10年以内を目標に、燃料と被覆管等が溶解し再固化した「燃料デブリ」の取り出しを開始します。第3期は、第2期終了後から廃止措置終了までの期間で、20~25年後をめどに「燃料デブリ」の取り出しを完了、30~40年後を目処に廃炉措置を完了する予定です。

 

 

(Copyright 2011 Foreign Press Center/Japan)

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