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新潟市 篠田昭市長 (2014年7月) | 公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)

首長による情報発信

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新潟市 篠田昭市長 (2014年7月)

投稿日 : 2014年07月23日

P1030602

本州日本海側で唯一の政令指定都市である新潟市。近年様々なモデル都市に指定されている取り組みを篠田昭市長に伺いました。

(聞き手:赤阪 清隆FPCJ理事長)

 

 

 

 

【水と土の芸術祭:「開港都市にいがた 水と土の芸術祭2012」の作品
王文志「浴火鳳凰 Phoenix From The Flames」】

水と土の芸術祭―新潟市は、国家戦略特区、環境モデル都市、文化庁長官表彰の文化芸術創造都市部門と様々なモデル都市に選定されていますね。

 

新潟市は、2005年に広域合併して今年で10年目になります。2007年に政令指定都市となってから3、4年はどのようなまちづくりを行うか、といった土台作りに大きなエネルギー割きました。この4、5年は築いた土台の上にどのような方向で花を咲かせていくか、新潟の明るさ、持っているミッションや役割を最大限引き出すにはどういうことをやるべきか考えてまちづくりをしてきた結果、モデル都市に選定されたのだと思います。

 

 

―政府はこのほど、国土強靭化基本計画を閣議決定し、新潟市は、国土強靭化地域計画策定モデル調査に関わる実施団体に選定されました。

 

3年前の東日本大震災では、日本海側に位置する新潟市は最大限がんばらないと、ということで復旧・復興への最大の救援センターとして、大きな役割を果たしました。新潟の持っている役割や使命は非常に大きいものがあります。首都直下地震や南海トラフ地震など大地震が想定される中、防災救援首都として、ハード面のみならず、ソフト面もさらに機能を充実していかなくては日本の強靭化は絵に描いた餅になってしまいます。新潟が防災救援首都になるという取り組みは、国土強靭化の要になるのでしっかり拠点化を進めて行きたいと思います。新潟も過去に大きな地震を経験しました。新潟地震から今年の6月16日で50年です。地震を経験した市民が少なくなりましたので、この機会に市民の防災意識を高め、教訓を風化させないようにしたいと考えています。

 

 

~日本一の農業都市新潟の取り組み~

 

【豊かな穀倉地域である越後平野新潟市は全国市町村

の中で水田面積及び水稲収穫量全国第1位】

田園―地域を絞って規制を大胆に緩和する国家戦略特区の第1弾にも新潟市が選ばれました。

 

新潟市は「大規模農業の改革拠点」として、農地の集約や企業の参入による経営基盤の強化、農産物の生産から加工、販売まで手がける6次産業化などを進めていきます。日本一の農業都市である新潟は、都道府県のレベルにあてはめると、水田耕地面積は31位、米の産出額は18位に相当します。世界第2位の食糧輸出国オランダでは、農業、食品の関連企業そして研究所が集積する「フードバレー」を作り、生産効率を高めています。新潟にアグリクラスターをつくるために、昨年、一昨年と2年続けてオランダに視察団を出すなど、この3、4年オランダの農業を勉強しています。

 

 

―農業特区に指定されたことによって、食関連産業の発展が期待されますね。

 

まずは、農家レストランを考えています。農家レストランは雇用を増やすことが難しい地域で働き口を明確に増やせること、地域のこだわりの食材を使うことで、周辺の農家にとっても大きな経済効果が期待できます。希望者が20件ほどありますので、しっかり選んでいきたいと思います。今回、農業生産法人の規制緩和もいただきました。これまで農業生産法人となるには農作業に従事する人が構成員の4分の1以上の人数が必要でしたが、農作業に従事している人が1人いればよくなりました。レストランで成功している農家とPRが上手い人が入って農業生産法人を作れば、レベルの高い、多様なものが提供できると考えています。また、農業生産法人の中には植物工場を始めたいというところが結構あります。農地が荒れているのを地域の人たちが見ると残念な気持ちになります。耕作放棄地のようなところを植物工場に変えることも検討しています。市内の砂丘地でタバコの栽培をしている農家の中には規模を縮小しているところが出てきています。栽培する作物を切り替える際、植物工場は大きな選択肢になると考えています。

 

 

~おいしい食べものとお酒のまち新潟

 

 いくとぴあ食花【いくとぴあ食花:2014年6月にグランドオープンした食と花の交流施設
ガーデン、マーケット、レストランなど、新潟の「食と花」が体感・堪能できる】

 

―新潟の企業は米作りと関わりの深い企業がたくさんありますね。

 

新潟は昭和の時代に一度フードバレーを形成していたと思います。日本でトップの米菓メーカーである亀田製菓、2位の三幸製菓、5位の栗山米菓、みな田んぼから生まれた企業なんです。サトウ食品の「サトウのごはん」や「サトウの切り餅」は新潟のコメがなければ、現在のような企業形態にはならなかったと思います。米、農業、食品加工の力が昭和の時代には積極的に展開されました。今、われわれはその遺産で食べているようなものです。新潟市は「田園型政令指定市」を標榜していますが、田園の持っている力や資源的な役割を全然使い切っていないのではないか、例えば6次産業化するなど、もっともっと使った方がいいのではと市民に問いかけています。

 

 

【日本一の大河・信濃川にかかる重要文化財萬代橋】

 

万代橋

―農業を改革していく上で今後の課題は。

 

農地の転用の規制緩和はまだ認められていませんが、例えば耕作放棄地を10ヘクタール再生した場合、その見合いで高速道路のインター脇、空港の脇といった農業に向かないところを新潟市の責任で転用を認めてほしい。そうなるとまちづくりがぐっと進んで、活性化効果も大きいと思います。また、農業は暗い、というイメージがありますが、元気のある農家は、明るく楽しく農業をやっています。地場産業で成功している中小企業の社長は、みな「かわりもの」といわれて成功しています。地域農業が元気になるようにと農協も危機感を持ちだしたので、特区に指定されたことを活かした農業政策を市民とともに作って行きたいと思います。

 

 

―日本酒、久保田、八海山、越乃寒梅。おいしいお酒が新潟にあります。

日本酒新潟県は、すごくレベルが高い吟醸や純米系のお酒を中心につくっているところが多く、淡麗辛口も昭和の時代から造ってきました。日本酒の消費が低迷する時期がありましたが、最近では女性が日本酒を飲む機会が増え、2年ほど前に消費量が底を打ってから増加に転じています。新潟の日本酒をアピールするイベント、「にいがた酒の陣」が毎年春に開催され、2日間の開催中、10万人ほど来場します。2004年から毎年新潟県内の約90の酒蔵が参加し、さまざまな種類の日本酒が楽しめます。最近はありがたいことに、女性のグループや首都圏を中心に県外から多くの人がきてくれるようになりました。

 

【日本酒:新潟市内には15の蔵元がある。新潟の地酒は

「淡麗辛口」で雑味がなくスッキリとした味わい。】

 

 

―新潟のブランドといえばやはり「食」ですか。

 食の国際賞

新潟の企業である亀田製菓とブルボンなどの協力を得て作った、日本で初めて食をテーマとして国際賞「食の新潟国際賞」があります。表彰は隔年に1回で、今年で3回目となりますが、食の分野で国際社会に貢献していけたらと考えています。また、新たな取り組みとしてユネスコが創設した、「ユネスコ創造都市ネットワーク」の食文化分野の加盟をめざしています。新潟には、お米を中心とした食文化、お酒、麹を中心として発酵文化もあります。食文化を世界にアピールし、地域が守り育ててきた食の多彩な文化を再発見し、県外の方には改めて和食の魅力を伝え、「食の新潟」と言えるよう、取り組んでいきたいと思います。   

 

                                          【食の国際賞:「佐野藤三郎記念 食の新潟国際賞」の基

                                           本テーマは「食と生命」写真は「第2回食の新潟国際

                                           賞」受賞者(左から、ンネメカ・C・イケグオヌ氏、ジョ        

                                           ゼット・シーラン氏、梅林正直氏)】

 

 

※写真は新潟市よりご提供いただきました。

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