
【ジャパン・ブリーフ】バンクーバー冬季五輪閉幕
投稿日時 2010-03-04 | カテゴリ: Japan Brief
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【ジャパン・ブリーフ / FPCJ,No.0986】 2010年3月4日
◎バンクーバー冬季五輪閉幕
第21回冬季オリンピック・バンクーバー大会は2月28日(日本時間3月1日)閉幕した。2月12日から17日間にわたって繰り広げられた「雪と氷の祭典」には、史上最多の82カ国・地域が参加した。参加国・地域中トップの金メダル14個を獲得した開催国カナダが大活躍する一方、韓国、中国の躍進が目立つ大会だった。次回2014年大会はロシア南部の黒海に面した保養地ソチで開かれる。
◆韓国、中国の躍進目立つ
バンクーバー五輪では、7競技・86種目(過去最多)が行われ、金メダルの獲得数ではカナダがトップだったが、メダル獲得総数では、37個の米国が1位、30個のドイツが2位、26個のカナダが3位で、15個のロシアは6位にとどまった。14個の韓国が7位、11個の中国が8位を占め、気を吐いた。5個の日本は15位だったが、銀3、銅2個は、2002年ソルトレークシティー五輪の銀1、銅1個、06年トリノ五輪の金1個を上回った。報道によると、鳩山由紀夫総理は3月1日、冬季五輪の感想を記者団から問われ、「メダル5個、頑張ってくれたと思う。日本人として誇りを持って良いのではないか。国として積極的に強化すべきところがあれば考えていきたい」と語った。
各競技の中で日本では、2月26日に行われた浅田真央選手と韓国のキム・ヨナ選手が金メダルを争った女子フィギュアは最も注目を集め、NHKテレビによる生中継は40%を超える視聴率を記録した。世界最高得点をマークしたキム選手が金メダルに輝き、浅田選手は銀メダルに終わったが、日本経済新聞を除く主要4紙が社説(2月27日)で取り上げ、「19歳のライバル二人の氷上の舞は、本当に見事だった」(読売)、「五輪の長い歴史の中でも欧米勢の独壇場だった女子フィギュアで、アジア勢が2人表彰台に立ったのは初めてのことだ。2人の19歳を心からたたえたい」(朝日)、「五輪の重圧がかかる中、世界中を魅了する最高峰の演技を見せた両選手の芸術的な滑りは実に感動的だった。心からの拍手を送りたい」(毎日)などと、両選手の健闘を称えた。
日本選手団の橋本聖子団長(参議院議員、日本スケート連盟会長、元五輪選手)は2月28日の記者会見で冬季五輪を総括し、同じアジア勢の韓国と中国の躍進について「圧倒される部分もあるが、これまでは体の大きな選手にアジア選手が挑むのが厳しかったことを考えれば、(日本にとっても)明るい材料だ」と捉え、今後の強化方針として「医学、情報などを担当するスタッフの質を上げることが大切だ」と述べた(3月1日付毎日新聞夕刊)。読売新聞の山岸均・運動部長は「今大会で日本のトップアスリートを支えたのは、所属する企業の熱意だ。しかし、国の誇りをかけて戦う選手たちだけに、企業の支援に甘えるだけでいいはずがない。国を挙げての強化を素早く軌道に乗せなければ、アジアのライバルの背中は遠くなる」と訴えた(3月2日)。
◆主要各紙論調
読売新聞社説(2月27日)は、キム・ヨナ選手ら韓国の目覚ましい活躍について「強さの要因の一つが、将来有望と思われる選手をジュニア時代から国を挙げてサポートする強化策にあるといわれる」と指摘。「政府は、12年のロンドン五輪でのメダル増に向け、有望競技への支援策に10年度のスポーツ関連予算を手厚く配分している。冬季競技に対しても、こうした国のサポートは欠かせまい。世界と戦うには、長期的視点も大切だ。フィギュアについても、浅田選手の次の世代をいかに育てるかが課題となろう」と論じている。
朝日新聞社説(2月27日)は「韓国、中国は全体のメダル獲得数でも上位に進出し、欧米中心だった冬季五輪の世界は様変わりした。1986年に日本が札幌で初めて開いた冬季アジア大会が、アジアの冬のスポーツ熱に火をつけた」、 「国境を越えて行き交う選手や指導者が、互いの技を高めあった。そこに地域の経済発展が重なり、冬季スポーツでのアジアの台頭を生んだといえる」と指摘。「身近な国とフェアに競い、学び合う中でアジア全体のレベルが上がり、その結果、世界でのアジアの存在感が増していく。スポーツから学び取るべきことは、実に深い」と結んでいる。
毎日新聞社説(3月1日)は、日本選手の活躍に拍手を送りつつ「アジアのライバルである韓国と中国がトリノ五輪に続いて躍進した。かつては冬季競技では日本がリードしてきただけに、中韓の強化から学ぶべきは謙虚に学ぶ姿勢が必要だ」と主張。今回の五輪開幕に合わせたようにアフガニスタンで大規模軍事作戦が始まり、2年前の北京五輪でも開幕日にロシアとグルジアの軍事衝突が起きたことを指摘し、「五輪に託された夢は単なるメダル争いではない。アフガンの人たちが2年後、ロンドンで開かれる『平和の祭典』を心から楽しめるよう、切に願いたい」と述べている。
産経新聞社説(3月1日)は「2018年の冬季五輪招致を目指す韓国、さらに中国は国を挙げて選手育成に取り組んでいる。日本はスキーのジャンプや複合など、金メダルの実績もある競技・種目が不振に終わった。選手の世代交代はうまく進んでいるのか。日本オリンピック委員会(JOC)など関係者はさまざまな角度から新たな強化策を検討すべきだ」と促している。 (了)
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