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タイトルアイコン【ジャパン・ブリーフ】鳩山総理、「温室効果ガス25%削減」国連で宣言(2009-09-28)
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投稿日時: 2009-09-28

【ジャパン・ブリーフ / FPCJ, No.0956】
2009年9月28日


◎鳩山総理、「温室効果ガス25%削減」国連で宣言

鳩山由紀夫総理は9月22日、国連本部で開催された国連気候変動ハイレベル会合で演説し、2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減するとの日本の中期目標を表明した。この演説で鳩山総理は「すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が、我が国の国際社会への約束の前提となる」と述べ、米国や中国などの主要排出国に対し意欲的な削減目標の設定を促すとともに、途上国の温室効果ガス削減を支援するために「これまでと同等以上の資金的、技術的な支援を行う用意がある」と約束した。

◆日本の新たな国際公約への評価

衆議院議員選挙(8月30日)で民主党が圧勝した後、鳩山氏は民主党代表として9月7日に都内で演説し、次期政権が「90年比25%削減」をめざすことを明らかにしている。今回の演説もこの政権公約を踏まえたものである。しかし、オバマ米大統領はじめ100カ国前後の首脳を含め約140カ国の代表が参加した国際会議での総理の発言は、日本の新たな「国際公約」として大きな注目を集めた。

3大紙と呼ばれる読売朝日毎日各紙も9月23日、鳩山総理の演説を報じる1面トップ記事に、それぞれ「『25%削減』国際公約」(読売)、「『25%減』国連で宣言」(朝日)、「『25%削減』国際公約」(毎日)の大見出しを掲げた。これら主要紙の報道によれば、鳩山総理は「2020年までに1990年比で温室効果ガスの排出量を25%削減」、「主要国の参加による意欲的な削減目標の合意が前提となる」との2点に加えて、途上国支援に関して(1)先進国は官民の相当の資金で貢献する、(2)途上国が資金援助を受けた場合、援助が削減にどれだけ役立ったか検証可能な仕組みを作るなど具体的な方策を提唱し、これを「鳩山イニシアチブ」と名付けた(同日付読売新聞)。

藩基文国連事務総長は9月22日、鳩山総理との会談で「加盟国から大変好意的に受け止められている」と、日本の中期目標を評価した。またブラウン英首相はじめ西欧諸国首脳などが、中期目標設定への日本の先行的な試みを称賛した。その一方で、25%削減という目標値が国民生活に及ぼす負担増、途上国支援への資金拠出のあり方などをめぐり、日本国内で新たな論議が起きることを予想しつつ、朝日新聞(23日)は「経済界、国民への説得不可欠」との解説記事を載せた。

◆主要紙の社説論調

全国紙5紙はいずれも9月24日、鳩山総理の演説を論評する社説を掲載した。各紙それぞれが独自の見解を打ち出し、この問題をめぐる社論対立を裏書きした。

読売新聞は「国内的な合意ができていない中、内閣発足直後にこれほど重要な国際公約を一方的に宣言する必要があったのか、疑問である。最も懸念されるのは、この数値が独り歩きすることだ」と述べ、「首相は、目標達成のために、国内排出量取引制度の創設や、地球温暖化対策税の検討などを挙げたが、これらの施策が、景気回復の足かせとなる恐れもある。経済活動を停滞させずに、排出削減をどう実現するのか。首相は早急に道筋を示す必要がある」と主張する。

朝日新聞は「交渉進展のカギを握る中国から、注目すべき発言があった。胡錦濤国家主席が『温室効果ガス排出を2020年までに05年比で大胆に削減するよう努力をする』と開会式で述べたのだ」と述べ、大量排出国の中国が従来の姿勢を転換し「他の新興国を合意に向けて引っ張ってもらいたい」と要望する。そして米国の対応をめぐり「温暖化対策について米議会には、景気への悪影響や、企業の国際競争力がそがれることへの懸念がある。このままでは、温暖化防止に積極的なオバマ大統領の国際合意づくりに向けての主導力がそがれてしまう」ことを恐れる。

毎日新聞は「これまで、自民党政権下の温暖化政策は、国内の意見調整に重点を置く非常に内向きなものだった」、「それに比べ、鳩山首相の意思表明は国際的に存在感を示したといえるだろう」と論じる。その一方で「日本の目標とても『すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意』を前提としたもので、他国の出方に左右される」と書き、交渉の山場となるコペンハーゲンでの国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が年末に迫っていることに関連して、「各国の首脳はサミットでの発言を具体化に結びつけるべく、政治的リーダーシップを発揮してほしい」と結ぶ。

日本経済新聞は「国連での約束は、鳩山首相に国内の合意形成という課題を残した。新たな中期目標に対し『高すぎる』との批判がある。その根拠として、家計への負担を『年間約36万円』などとする過去の政府試算が引き合いに出される」ことに注目する。そして「この試算は技術革新に伴う新産業の創造を考慮しておらず、今の産業構造を前提に対策コストを積み上げた結果だとも指摘されてきた。政府が明確な目標を掲げれば、企業は確信をもって関連分野での技術開発や設備への投資を推進できる。国際的な約束が国内で確固たる支持を得るためには、排出削減が新たな市場をつくりだし経済成長の支えにもなるという共通認識の形成が必要だ」と強調する。

産経新聞は「実現に極めて問題の多い数字を国際公約として約束したことは遺憾としか言いようがない」と論じ、「日本が身の丈を超えたハードルを掲げるにしても、世界総量の約20%ずつを排出する米国と中国が、京都議定書後の新たな国際ルールの枠組みに積極参加することは必須条件だ」、「日本だけが重い削減義務を負った京都議定書の二の舞いとしてはいけない」と警告する。
(了)

(Copyright 2009 Foreign Press Center / Japan)

※ジャパン・ブリーフは、(財)フォーリン・プレスセンターが独自に作成しており政府やその他の団体の見解を示すものではありません。


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