投稿日時: 2009-09-01【ジャパン・ブリーフ / FPCJ,No. 0949】
2009年9月1日
◎第45回総選挙投開票、民主党政権誕生へ
8月30日に投開票された第45回衆議院議員選挙で、民主党が過半数241を大幅に上回る308議席を獲得。政権交代と鳩山由紀夫総理大臣の誕生が確実となった。一方、政権与党であった自民・公明両党は公示前の331から140へと大幅に議席を減らし、自民党は1955年の結党以来、初めて第一党の座を失った。これを受け、麻生太郎総理は31日、自民党総裁を辞任する意向を表明した。また、10年間にわたり同党と連立してきた公明党も、小選挙区で全敗を喫した。このほか、共産党は9議席、社民党は7議席、みんなの党は5議席、国民新党は3議席、新党日本は1議席をそれぞれ獲得した。
非自民政権の発足は、1993年の細川政権誕生以来16年ぶり(8月31日付読売新聞1面)。衆院選で野党が単独過半数を得て政権交代を実現するのは、15年前の小選挙区比例代表並立制導入後はもとより、戦後初めてとなる(同日付朝日新聞1面)。
鳩山氏は31日未明の会見で、「国民が勇気を持って政権交代を選んだ。国民が主役となる政治をつくりあげなければならない」と語った(同上)。また、民主党は参議院では単独過半数を持っていないことから、社民、国民新両党との連立政権協議を本格化させるとも表明した(同日付読売新聞1面)。
◆主要紙論調
31日の主要全国紙社説は、衆院選の結果、政権交代の話題一色となった。多くの社説が今回の結果を「歴史的政権交代」と報じた一方、読売、朝日、産経は民主党の大勝が同党への全面的信任を意味するわけではないと指摘。各紙とも、新政権に対し責任の重大さを強調する一方、自民党に対しては解党的出直しを求めた。
読売新聞は、選挙結果について、「構造改革路線の行き過ぎ、指導者の責任放棄と力量不足、支持団体の離反、長期政権への失望と飽きが、自民党の歴史的敗北につながったと言えよう。民主党は、こうした自民党の行き詰まりを批判し、子ども手当や高速道路無料化など家計支援策、多様な候補者を立てる選挙戦術で有権者の不満を吸い上げた」と分析。その上で、新政権の最大の課題は日本経済を着実な回復軌道に乗せることであると指摘。また、外交・安全保障では、外交の継続性に留意し日米同盟を堅持するよう求めた。
朝日新聞は、民主党の大勝を、①少子高齢化が象徴する日本社会の構造変化とグローバル化の中での地域経済の疲弊、②そうした激しい変化に対応できなかった自民党への不信、③世界同時不況の中で社会全体に漂う閉塞感と将来への不安によるもの、と分析。その一方で、他紙と同様、選挙結果は民主党政権への信頼とイコールではないとの見方を示した。その上で、同党に対し、「9月半ばの政権発足からほぼ100日間。これを政権の足場を固めるための時間と位置づけ、優先順位を明確にして全力で取り組む」よう提案。特に、①政治と行政の透明化、②政策の柔軟な見直し、③政権の新しい意思決定システムを着実に機能させることの3つを課題に挙げた。
毎日新聞は、今回の政権交代を、「すさまじい地殻変動」で「革命的とすら言える」と表現。小選挙区制が導入されて5回目の衆院選で初めて実現した「投票による政権交代という民主主義本来の機能回復を、私たちは政治の進歩として率直に評価したい」と述べた上で、民主党に対し、政治主導が可能な体制の速やかな構築と、外交・安保政策の明確化を要求した。
産経新聞は、選挙結果について、「13年前の総選挙から導入された小選挙区制による政権交代を可能にする二大政党制が、ようやく機能した意味は大きい」と評価しながらも、「政権交代が目的化し、この国をどうするのかという選択肢がほとんど吟味されぬまま、結論が導かれたこと」を問題視した。また、「国の統治を担う以上、民主党には国益や国民の利益を守る現実路線に踏み込んでほしい」と述べ、特に日米同盟を基軸とした外交・安保政策の継続と構造改革の推進の重要性を訴えた。
日本経済新聞は、「半世紀余り続いた自民党政治への飽きとともに、前回の衆院選以降に顕著となった自民の統治能力の劣化が有権者の離反を招いた」、「民主は現状に不満を持つ層を広く吸収して、政権交代への期待を高めるのに成功した」と選挙結果を分析。その上で、新政権に対し、政策財源の明確化や、現在の民主の政策に欠けている経済成長戦略、財政再建目標の提示などを求めた。
(参考:主要政党の衆院選当選者数(選挙公示前議席数)(8月31日付読売新聞))
民主:308(115) 共産:9(9)
自民:119(300) 社民:7(7)
公明: 21( 31)
(了)
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