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タイトルアイコン【ジャパン・ブリーフ】日本政府、過去最大規模の追加経済対策を発表(2009-04-13)
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投稿日時: 2009-04-13

【ジャパン・ブリーフ / FPCJ,No. 0920】
2009年4月13日


◎日本政府、過去最大規模の追加経済対策を発表

国内経済の見通しが一段と厳しくなる中、政府は空前の規模の追加経済対策を打ち出した。4月10日に発表された「経済危機対策」は、当面の国内需要を創出するとともに、日本経済の長期的な成長力を高めるために国内総生産(GDP)の3%近くに相当する15.4兆円の財政支出を行うことにしている。

この追加財政支出は事業規模にして56.8兆円になり、GDPを2%程度引き上げ、2009年度に40万-50万人分の雇用を作り出す効果があると見込まれている。与謝野馨財務・経済・金融相は「この対策を講じなければ、今年度の経済成長率はマイナス6-7%に落ち込み、失業率は8%に上昇、200万人が職を失うだろう」と語った。経済協力開発機構(OECD)は3月、今年の日本経済の成長率はマイナス6.6%との予測を発表している。

この経済対策の需要・雇用創出策は、環境にやさしい省エネ型の自動車や家電製品の購入に対する補助金、住宅購入に関わる相続税の軽減、職業訓練や失業保険の給付対象の拡大、子育て支援のための児童手当の拡充、金融逼迫に苦しむ中小企業に対する信用支援、政府関係機関による株式の買い取り――などが主要項目となっている。

経済危機対策の発表に先立ち、麻生太郎首相は4月9日、日本記者クラブで講演し、低炭素社会の達成、安心・元気な長寿社会の実現、ソフトパワーと観光立国の強化・育成からなる「新成長戦略」を発表した。この中で首相はまた、日本は2020年までにアジア全体の経済規模を倍増させる成長構想に寄与すると表明した。

今回の経済対策は、政府が昨年夏以来打ち出した3回にわたる経済対策への追加になるもので、補正予算によってまかなわれる。政府は補正予算と関連法案を4月27日に国会に提出する予定で、追加経済対策はこれらの法案が国会で成立してから実施に移されるが、それには6月の半ばまでかかる見通しである。

巨額の景気刺激策をめぐっては、財源として10兆円に上る国債の追加発行が必要になることが大きな懸念材料となっている。国債発行額はすでに高水準にあり、日本の公的債務残高はGDPの1.5倍と先進国では最悪の規模に達している。さらに国債発行が増えれば、長期金利が上昇し、それが企業の設備投資の足を引っ張り、政府が目指す景気回復そのものに跳ね返る可能性もあるからだ。麻生首相はこうした懸念に触れて、「財政再建の旗はぼろぼろになっている」としながらも、政府が長年掲げている赤字削減による財政再建の方針は捨てないことを表明している。これは今後景気が回復した時の消費税の引き上げ方針を示唆するものである。

さらに、9月までには遅かれ早かれ行われる総選挙を意識して、支出の大盤振る舞いを求める政治的な圧力が強く、景気対策の規模がいたずらにふくれ上がったという批判も出ている。景気回復や長期的な成長力強化にはあまり関係のなさそうな“ばらまき支出”が多く盛り込まれているというものである。

◆メディアは大盤振る舞いの帰結に懸念

主要紙の社説は、国内景気が深刻な状況にあることから、さらなる落ち込みを防ぐためには大規模な財政出動が必要であることを認めながらも、今回の追加対策には行き過ぎの面があるのではないかという懸念を表明した。

朝日新聞毎日新聞の4月10日の社説の見出し(「15兆円補正 大盤振る舞いが過ぎる」、「15兆円対策 大盤振る舞いの結末は」)がそれを代表している。朝日は「いくら深刻な経済危機に直面しているとはいえ、先月成立した経済対策の予算執行が始まったばかりの段階で、これだけ大規模な追加対策が必要だったのだろうか」と論じた。毎日は「この時期に、15兆円もの予算を組むとなれば、党利党略と受け取られかねない施策や、企業優遇、富裕者優遇の施策も少なからず入ってくる。大衆迎合的な施策も入りやすい」とし、「本当に『100年に1度』の危機であっても、将来に禍根を残す財政運営は許されるはずはない」と指摘した。

日本経済新聞の4月11日の社説は「日本経済の急速な悪化が続くなかで、大型の財政出動は景気底割れを防ぐために必要な措置だ」としながらも、「今回の対策の文章をみると『改革』という言葉がほとんど見あたらない」、「単発の財政刺激策だけでは、生産性の低い部門の構造を転換し経済の足腰を強化することにはつながらない」と主張した。

読売新聞は「緊急経済対策 『真水15兆円』を賢く使え」というタイトルの社説(4月10日)で「戦後最悪の不況を食い止めるための大胆な財政出動だ。(しかし)巨額の財政赤字というツケを残す『もろ刃の剣』でもある。景気浮揚と成長力強化の効果に優れた『賢い支出』にすべきだ」と論じた。産経新聞(4月11日)も同様な調子で、「先進国で突出して財政が悪化している国が、最大の財政出動を行うわけだ。そうである以上、対策効果も最大でなければならないが、それがはっきりしない」と指摘した。
(了)

(Copyright 2009 Foreign Press Center / Japan)

※ジャパン・ブリーフは、(財)フォーリン・プレスセンターが独自に作成しており、政府やその他の団体の見解を示すものではありません。


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