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ジャパン・ブリーフ

【ジャパン・ブリーフ】主要各紙が年頭社説で2010年を展望  
【ジャパン・ブリーフ FPCJ / No.0979】
2010年1月4日


◎主要各紙が年頭社説で2010年を展望

日本の主要各紙は1月1日、今年2010年を展望する年頭大型社説を掲げた。読売新聞社説は「国家戦略なき日本は孤立し、やがては漂流する」として「危機を乗り越える政治の責任」を強調。安全保障問題を中心に論じた朝日新聞社説は「長期的な視野からその大事さと難しさを論じ合う好機」と捉え、日米同盟の意味を問いかける。2010年を再建の年と位置づける毎日新聞社説は「発信力を高めることが日本再建につながる」と主張。日本経済新聞は「未来への責任」をテーマに掲げたシリーズ社説の第一弾として、繁栄と平和と地球環境を子や孫にも残すためには「向こう10年が勝負だ」として「早く行動を」と訴える。主要5紙のうち産経新聞は、社説に代えて「年のはじめに」と題する中静敬一郎・論説委員長の一文を掲載し、鳩山由紀夫総理に対して、「友愛」より「国思う心」で難局を乗り越えるよう求めている。各紙の論調を以下に要約する。

読売新聞社説は、「日本の将来に、期待よりも懸念、希望よりもあきらめを強く抱かせるような、政治の迷走、経済の停滞が続いている」、「主な原因は、鳩山連立政権が日本の平和と繁栄、安心社会を維持するための、中長期の国家戦略を欠くうえに、当面の針路すら国民に明示できないことにある」と指摘。「国家戦略なき日本は、国際社会の荒波の中で孤立化し、やがては漂流することになろう」と警鐘を鳴らし、「危機を乗り越える具体的な処方箋とともに、骨太な国家戦略を示すこと、それが政治に課された責任である」と力説。「安全保障同盟を基軸とする良好な日米関係の維持は、国家戦略の基本に位置づけられなければならない。それなのに、東アジア共同体構想を掲げ、米国離れを志向する鳩山首相の言動は極めて危うい」と断じ、「米国との同盟関係を薄めて、対等な関係を築くというのは、現実的な選択ではない」、「民主主義、人権尊重、思想・信条の自由という普遍的価値を共有するアメリカとの関係強化を、アジア・太平洋の平和と安定の基礎に置く視点が不可欠」とくぎを刺している。

朝日新聞社説は、「日米安保体制は今年で半世紀を迎える」とした上で、「いざというときに日本を一緒に守る安保と、憲法9条とを巧みに組み合わせる選択は、国民に安心感を与え続けてきた」と評価しつつ「同盟国だからといって常に国益が一致することはない。そのことも互いに理解して賢く使うなら、日米の同盟関係は重要な役割を担い続けよう」と主張。「鳩山政権のつたなさもあって、オバマ政権との関係がきしんではいるが、実は、長期的な視野から同盟の大事さと難しさを論じ合う好機でもある」と指摘。「世界の戦略環境をどう認識し、必要な最低限の抑止力、そのための負担のありかたについて、日米両政府の指導層が緊密に意思疎通できる態勢づくりを急がなければならない」、「同盟を維持する難しさはあっても、もたらされる利益は大きい」、「同盟を鍛えながらアジア、世界にどう生かすか。日本の政治家にはそういう大きな物語をぜひ語ってもらいたい」と述べている。

毎日新聞社説は、「710年の平城遷都に至る半世紀は、日本が大きな危機を克服して国の再建を果たした時代だった」、「国づくり、国防、文化の創造という総合戦略を成し遂げた象徴が平城京といえる」と述べ、平城遷都1300年になぞらえて日本再建の道を模索している。「奈良時代は日本の歴史上、最も国際的に開かれていた時代」、「奈良の都は大きな発信力を持っていた」との認識のもとに、「国際的な発信力を高め、日本の魅力が注目されることは、国内の活力にもつながる」と指摘。「発信力を高めるには外交の基軸である日米同盟の深化が必須だ。普天間問題で揺らいでいる日米の信頼関係を確固としたものに回復する必要がある。中国、インドという新興大国、韓国などを含めアジアとの協力も拡大しなければならない」と主張。「日本の発信力を高めることが日本の再建にもつながる。人々が未来に希望を持てる国にしよう」と結んでいる。

日経新聞社説は「われわれ現世代は子や孫の世代を犠牲にして、繁栄や平和をたのしんではいないだろうか。自分たちが生み出した問題は自分たちで処理する。それが未来への責任だろう」、「今年を日本の未来を考える元年にしたい」と主唱。「財政や社会保障を持続可能にするには、年金・医療給付や保険料、税金などの面から、現世代が解決策を出すべきだ」、「安全保障に関しては、日米同盟の意味合いを、未来の視点からもう一度考えてみる発想が大切」、「米中などの大量排出国を巻き込んだ二酸化炭素削減の枠組みができれば、低炭素社会に向けて、先進国は産業構造を大きく変え、新たな成長を開始する。技術力の高い日本は優位に立つ」と主張。「今から10年後には65歳以上の人口が29.2%と3割に近づく。この10年が勝負であろう。若い世代や将来世代の生活を守ることを真剣に考え、早く行動を起こすべきである」と促している。

産経新聞の中静論説委員長は、「『愛国』という言葉が使われなくなってから、久しい」、「愛国とは『国を思う心』を指す。このことを忘れ去ってしまったことで、日本人はなにか大切なものを失ったのではないだろうか」と問いかける。そして「国の基盤の溶解現象がみられる」と指摘し、「忘れてならないのは、日本の安全だ。米軍の抑止力がこの国の平和と繁栄を維持してきた。その抑止力が損なわれた場合、空白が生ずる。乗じる勢力も出てくる」と懸念を表明。鳩山総理が昨年末、米軍普天間飛行場の移設問題に関連して「抑止力」に言及したことに触れ、「(首相は)問題点は把握しているようだが、日本国民の平和と安全を守る決断をいまだに示そうとしていない」と批判しつつ、「国民を守り、国益を実現する国政の最高の責務は首相しか担えない。『友愛』より『国思う心』で難局を乗り越えてほしい」と要望している。
(了)

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※ジャパン・ブリーフは、(財)フォーリン・プレスセンターが独自に作成しており政府やその他の団体の見解を示すものではありません。
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