【ウォッチ・ジャパン・なう vol.27/FPCJ】 2012年6月5日
中学校でダンス必修化:人気の「ストリートダンス」も授業に導入
2012年4月より、文部科学省が公表した新学習指導要領に基づき、全国の公立中学1・2年生の保健体育の授業において、これまで選択で実施されていた「ダンス」と「武道」が必修になりました。これまでは、陸上や球技などが主流でしたが、今後は、教師も生徒もダンスや武道を含めた多様な種類の運動に触れることになります。とりわけダンスについては、表現やコミュニケーション能力を育てるため、また、将来自分に適した運動を選択できるようにするため、子供のうちに様々な運動を経験させておこうという観点から、必修化されました。
ダンスは、ヒップホップなどの「現代的なリズムのダンス」、「フォークダンス」、「創作ダンス」の3つの中から、それぞれの学校が選択します。文部科学省の調査によれば、ダンスの種類別の選択状況は、「現代的なリズムのダンス 66.3%(623校)、創作ダンス48.8%(459校)、フォークダンス38.9%(366校)」(※1)でした。ダンスを通じて、音楽にあわせて全身で踊る楽しさや、自ら表現する喜びなどを感じながら、リズム感・体力・柔軟性などが養われていきます。10代の子供たちの間では、ヒップホップなどのいわゆる「ストリートダンス」人気が急速な高まりを見せており、コンテストやイベントに参加したり、ダンス教室に通うティーンズダンサーも増えています。
 全国の6割を超える中学校が現代ダンスを選択した事実からは、現代ダンスを教わる側の生徒からの声が多いということがうかがえます。一方、教える側の体育教員からは、「人気のあるストリートダンスを生徒に教えられるのか」、「自分がリズムにのって踊れるのか」、「そもそもダンスを教えるのが初めて」という不安の声があちらこちらから聞こえています。このような現場の声を背景に、教員の負担を少しでも軽減しようと、現在教員を対象に自治体や民間のダンス教室が、ダンス経験がない人やダンススキル向上のため、ダンス必修化対策レッスンを開いています。それでも参加した教員は、40代50代でダンスを始める体力的な厳しさや、ダンス経験のある生徒への指導に対する不安を感じているようです。人によっては、これまであまりダンスに縁がなかったのに、唐突に音楽を聴いて、それにあわせて身体を動かすというのは、なかなか困難なようです。
今回の中学校でのダンス必修化に対しては、「なぜ体育の時間にヒップホップ?」との疑問や異論を唱える人もいます。また、ダンス経験の有無、ダンスの得意・不得意により、生徒が二極化する傾向も見え始めています。このような中、生徒をどこでどう公平に評価するのか。教員のみならず、生徒の親からも心配する声があがっています。しかし、実施開始からまだ日が浅いことも確かですが、音楽にあわせ身体を動かす事は心身への刺激にもなり、また、様々な種類やテンポのダンスに関心を持つ子供が増えるのは喜ばしいことでもあります。今後全国の中学校で、どのようなダンスの授業が行われるかは、大変興味深いところです。
(画像と本文は直接関係ありません)
出典 (※1)2012年3月16日付 毎日新聞
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