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72年目の「原爆の日」。核軍縮に向けて日本がとるべき道とは | 公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)

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72年目の「原爆の日」。核軍縮に向けて日本がとるべき道とは

投稿日 : 2017年08月18日

日本の主要な全国紙5紙(朝日、産経、日経、毎日、読売)から、同じテーマについて論じた社説を選び、その論調を分かりやすく比較しながら紹介します。

 

朝日新聞: 原点見据え核兵器禁止を

産経新聞: 脅威見据え議論すべきだ

日本経済新聞(日経):「核なき世界」へ問われる日本の覚悟

毎日新聞: 核廃絶への行動を怠るな

読売新聞:核軍縮へ確かな道を探りたい        (50音順)

 

広島、長崎は今年、原子爆弾の被爆から72年を迎えた。全国紙5紙は、広島への原爆投下があった8月6日付の社説で「原爆の日」を取りあげ、被爆者への追悼の念と平和への思いを新たにした。

 

しかし、今年7月、国連で122カ国の賛成により採択された「核兵器禁止条約」に日本が参加しなかったことについては、米国の「核の傘」に依存せざるを得ない日本の安全保障の現実を踏まえて日本政府の立場に理解を示した読売産経両紙と、「被爆者を失望させた」と強い違和感を示した朝日毎日両紙の主張は大きく隔たっていた。

 

日経は、核政策をめぐる理想と現実のギャップは大きく、簡単には解消できないが、政府は条約不参加の理由や今後の核軍縮に対する取り組みについて国民に丁寧に説明する必要があると指摘。こうした中で、読売日経両紙は、外務省が2020年の核拡散防止条約(NPT)の再検討会議に向けて核保有と非核保有国の有識者16人による「賢人会議」を設置したことは、理想と現実の溝を埋める新たな取り組みだとして評価した。

 

■ 賛否分かれた「核兵器禁止条約」への不参加

 

朝日は、拡大版の社説を掲げ、原爆投下による被害者(ヒバクシャ)の今も変わらぬ切実な声を紹介しながら、核兵器禁止条約の採択について、「交渉に参加した各国代表は『ヒバクシャに感謝したい』と口をそろえた。被爆者の切なる願いが、国際法となって結実した」と評価した。同条約については、9月から署名が始まり50カ国が批准すれば発効するが、朝日は「日本政府は条約交渉をボイコットし、被爆者を失望させた」と批判した。

 

特に、核保有国が主張する「核兵器は抑止力であり、安全保障の根幹」という思想について、「事故やテロのリスクもある。安定的な安全保障とはとうてい言えない」とするとともに、核保有国では“核の非人道性”が十分に認識されていないと指摘した。その上で、朝日は「日本政府は、核兵器禁止条約への参加を目標とし、核の傘を脱却する道筋を探るべきだ」と主張した。

 

毎日(拡大版)は、原爆投下の2年後に当時の浜井信三・広島市長が読み上げた平和宣言の「恒久平和のためには『恐るべき兵器』(原爆)を廃する『思想革命』が必要だ」という言葉を引用し、唯一の被爆国である日本が「核廃絶への弾みにブレーキをかけるのは違和感がある」と批判した。特に今回の条約採択については、「日本政府は被爆者と米国のはざまで米国を取ったように見える」と厳しく指摘、核兵器禁止条約もNPTも究極の目標は核廃絶であるとして、「日本政府は二つの条約をめぐる国際的な対立をやわらげ、足並みをそろえることに努める。そして禁止条約への対応も再考すべきである」と論じた。

 

これに対し、読売は北朝鮮の核開発や大陸間弾道ミサイルの発射実験を挙げ、「核兵器を巡る国際政治の現実は厳しい。(中略)核の脅威がある以上、日本は同盟国である米国の『核の傘』に頼らざるを得ない」として、核抑止の考え方自体を否定する核兵器禁止条約への参加には「無理がある」と主張した。その上で、日本がとるべき道としては、当面、「核拡散防止条約(NPT)を順守しつつ、核軍縮や核不拡散を国際社会に粘り強く働きかける」ことだと強調した。

 

産経も、北朝鮮の核開発で日本の安全保障環境は格段に悪化しているとして、「平和を願えばこそ、現実の脅威を見据えた議論が必要」と指摘した。核兵器禁止条約への日本の不参加についても、「核兵器廃絶という理念は理解するとしても、核の脅威が増している現実を、理念ゆえに見失っては、本末転倒でしかない」として、政府の対応を容認する姿勢を明確にした。

 

■ 外務省の「賢人会議」設置を評価

 

日経は、読売、産経両紙と同じように、被爆国・日本の核兵器禁止条約への不参加には矛盾があるとしながらも、北朝鮮の核開発や核保有国と非保有国の対立が深まっている厳しい現実を挙げ、「日本の安全保障を考えればやむを得ないのだろう」(昨年オバマ前大統領と広島で抱擁した歴史研究家・森重昭さんの言葉)との認識をにじませた。同時に、日経は北朝鮮の核の脅威への対処など今後の対応について、「政府は条約不参加の理由や、今後の核軍縮に向け日本が国際社会で果たすべき役割を、もっと丁寧に説明すべきだ」と主張した。

 

日経はまた、外務省が2020年に開催されるNPTの再検討会議に向けて、核保有国と非保有国の有識者16人による「核軍縮の実質的進展のための賢人会議」を設置したことについて、「双方の溝を埋める新たな取り組みだ」と評価した。

 

読売も、「賢人会議」が来年のNPT運用検討会議準備委員会に提言を行う予定であることについて、「核保有国と非保有国の立場の違いを乗り越え、核軍縮を前に進める。それを主導するのが、唯一の被爆国・日本の責務である」と強調した。

 

 

写真: Abaca/アフロ

 

※このページは、公益財団法人フォーリン・プレスセンターが独自に作成しており、政府やその他の団体の見解を示すものではありません。

 

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