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各紙、G7の“足並み”の乱れに強い懸念 | 公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)

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各紙、G7の“足並み”の乱れに強い懸念

投稿日 : 2017年06月01日

日本の主要な全国紙5紙(朝日、産経、日経、毎日、読売)から、同じテーマについて論じた社説を選び、その論調を分かりやすく比較しながら紹介します。

 

朝日新聞:価値を守る責務今なお

産経新聞:枠組みの価値は維持した 「保護主義」阻む努力を続けよ

日本経済新聞(日経):今こそG7サミットの意義を問い直そう

毎日新聞:世界への責任果たせるか

読売新聞:「米国第一」回避へ結束強めよ                               (50音順)

Photo: ロイター/アフロ

「パリ協定」をめぐっては、米国以外の6カ国との乱れが露呈した。全国紙は29日付の社説で一斉に論評したが、1975年のサミット開催以来最も結束力に欠ける首脳会議となり、全紙ともG7サミットの在り方への強い危惧の念を示した。

 

■ 薄められた「反保護主義」

 

朝日は、今回のサミットを「米国第一主義」を掲げるトランプ大統領に「振り回された」と評し、自由貿易、地球温暖化対策などで足並みの乱れが露呈したことについて「先進国全体が『内向き』志向に引きずられ、開かれた世界を実現する意欲が衰えているとすれば、憂慮すべき事態だ」と論評した。今回の収穫については、「トランプ氏をほかの首脳たちがひざ詰めの協議で諭し、保護貿易主義への反対などの原則を守って、一定の妥協の枠内に収めたことだ」と消極的に評価をするとともに、先進7カ国に対して「自由と民主主義の点検を絶えず怠ることなく、『国際益』を追及してもらいたい」と注文を付けた。

 

読売も、米貿易赤字の縮小を最優先課題とするトランプ大統領が各国に歩み寄り、「反保護主義の明記を容認したことは歓迎できる」としながらも、「メルケル独首相が反発する場面もあった。G7が一枚岩になったわけではない」と指摘した。新興国が急速に台頭している国際情勢の中で、G7の政策的連携が図られることが求められているだけに、「日本や欧州各国は、米国に国際協調の重要性を粘り強く説くべきだ」と強調した。

 

毎日も首脳宣言に「反保護主義」の文言が盛り込まれたことについて、「だからといってトランプ氏が『米国第一』を引っ込めたわけではない」と疑念を提した。その理由は、トランプ氏の持論である「公正な貿易」が宣言に盛り込まれたためで、「米国が自前の判断で保護主義に踏み出す余地を残した」と指摘した。

 

日経は、今回の首脳会議について「価値観の共有さえ果たしてできているのかと疑いたくなる光景が目立った」と“G7の迷走”を指摘するとともに、「そもそも何のためにやっているのかを問い直す時がきているようだ」と踏み込み厳しく批判した。かつてG7は、世界の国内総生産(GDP)の7割を占めていたが、現在の比率は5割を下回る。それでも、「結束すればその力は小さくない。反グローバル化、大衆迎合主義が広がる今こそ、サミットの原点に戻って協調を立て直すべきだ」と主張した。

 

産経も、「貿易上の共通理念をG7としてかろうじて維持した」としながらも、「G7としての自由貿易の価値観が減じることになれば、世界経済を牽引する役割などおぼつかない」と断じた。貿易赤字が雇用を奪っているという米国に配慮した文言が盛り込まれたことについても、「貿易赤字を単純に『悪』と断じて、その原因を相手国の不公正貿易のせいだとする米国の論理は誤りだ」と厳しく批判した。

 

■ 地球温暖化では“深い溝”、「北朝鮮」言及は2紙のみ

 

地球温暖化防止の国際的枠組みである「パリ協定」については、米国が態度を保留したため、首脳宣言では米国を除く6カ国が同協定への支持を表明するという異例の事態となった。これに対し、各紙は、

「立場の不一致が宣言に盛り込まれるのは異例だ」(朝日

「米国のパリ協定離脱の流れを止められなかった形だ」(産経

「協定が骨抜きになりかねない」(毎日

「米国と日欧の間で溝は深まった」(日経

「トランプ氏は離脱の可能性を否定せず」(読売

と、G7内の足並みの乱れを強く懸念するとともにトランプ政権の姿勢を批判した。

 

特に、産経は「パリ協定」の意義について、「二酸化炭素の排出量の約4割を占める米中が初めて参加したこと」であるとした上で、「米国の動きが、中国の削減にもマイナスの影響を及ぼすことへの留意が必要である」と懸念を示した。

 

一方、核・ミサイル開発を進め挑発的な行動を繰り返す北朝鮮問題について、G7宣言が「制裁強化」に言及したことを評価したのは、読売と産経の2紙だけだった。読売は、宣言が「新たな段階の脅威」と踏み込んだことを「意義は大きい」と評価した。その上で、首脳宣言をもとに今後「北朝鮮に強い影響力を持つ中国に圧力強化を働きかけ、国際的な包囲網を構築せねばならない」と訴えた。

 

産経は、「北朝鮮問題について、『最優先課題』と位置付けた意味は大きい」と評価し、“対話より圧力”を掲げた日米の姿勢が「賛同を得た形だ」と論評した。さらに、併せて中国の海洋進出についても「海における法の支配の重要性を首脳宣言で強調したことも重要な成果といえよう」と評価した。

 

 

※このページは、公益財団法人フォーリン・プレスセンターが独自に作成しており、政府やその他の団体の見解を示すものではありません。

 

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