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日米経済対話への反応:自由貿易促進のルール作りを | 公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)

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日米経済対話への反応:自由貿易促進のルール作りを

投稿日 : 2017年04月26日

朝日:自由貿易の原則を守れ

産経:保護主義阻む姿勢崩すな

日経:日米双方の構造改革促す経済対話に 

毎日:ナンバー2協議を生かせ

読売:経済対話で互恵を目指したい                               (50音順)

 

写真:Natsuki Sakai/アフロ

 

麻生太郎副総理兼財務相とペンス米副大統領による日米経済対話が4月18日、東京で開催され、貿易・投資のルール、経済政策の連携、インフラやエネルギー開発の協力という3分野で協議を進めることで合意した。初の経済対話は、交渉の大枠合意にとどめ具体的な内容については今後の政策協議に持ち越したが、ペンス副大統領は、トランプ大統領の「米国第一主義」を踏まえ、日米自由貿易協定(FTA)交渉に強い意欲をにじませた。

 

全国紙5紙は、同月19日付朝刊の社説で取り上げ、交渉の枠組み作りを歓迎しながらも、日米両国が保護主義を排し、自由貿易を発展させるための構造改革協議を粘り強く行うように求めた。

 

■ 米国の2国間FTAに懸念

 

朝日は、日米経済対話について「両国の間に深い溝がある」として、二国間協議で自国の利益を優先しようとしているトランプ政権の姿勢に対して「保護主義は得策ではない。米国にクギを刺すことが最優先の課題だ」と主張した。特に、米政権が1980年代のような数値目標を掲げた通商交渉を目指すのであれば、「まずその非をきちんと指摘しなければならない」と強調し、貿易収支は通商政策で決まるものではないとして「『黒字・赤字』はそもそも『勝ち・負け』ではない」と論じた。

 

日経も、ペンス副大統領が記者会見で将来的なFTAへの意欲をのぞかせたことに関連して、日本が二国間協定の交渉に応じるにしても、環太平洋経済連携協定(TPP)「交渉での日米合意をベースに議論を進めるべきだ」と指摘した。さらに、全体的な経済対話の在り方についても、「短期的な得点稼ぎでなく真に両国が必要とする構造改革につながる議論をできるか」だと主張した。

 

毎日も、ペンス副大統領のFTA発言について、「一方的な市場開放を迫ってくる恐れがある」、「トランプ政権は米国に都合のいい要求を持ち出しかねない」と懸念を示すとともに、「日本は国益を損なうような2国間交渉には応じるべきではない」と強調した。米国が強い関心を示す自動車関税についても、「輸入車に関税を課しているのは米国で、日本は撤廃済みだ」と指摘。農産物の市場開放についても、「日本はTPPで関税引き下げに合意している。一方的に離脱したのはトランプ政権だ」とけん制した。

 

読売も、経済対話には「相互利益の視点が求められる」との大前提に立って、麻生副総理が記者会見で行った日米間の「摩擦から協力」発言を評価した。その理由は、麻生発言が米国のTPP離脱を踏まえながら、「日米が主導してアジア太平洋地域に自由で公正な貿易ルールを広げていく考えを示した」からだとしている。その上で、日米貿易はすでに“対日赤字の突出”の時代から様変わりしており、「日本の対米投資は米国で多くの雇用を生んでいる」とするとともに、トランプ大統領の保護主義的な言動について「実態を踏まえたものとは言い難い」と断じた。

 

産経も、日米経済対話は「世界の範となるルール作りに向かう、強固な日米関係を示すべきだ」と強調するとともに、自由主義経済の日米両国が「結束を強めることは、経済、軍事面での中国の覇権主義的な動きを牽制する意味を持つ」と指摘した。しかしFTAについては「日本はすぐに応じる必要はあるまい」として、「米国がTPP以上の恩恵を受けたいのだとすれば、身勝手にすぎる。理不尽な要求は拒むしかない」とまで言い切った。

 

■ 米国抜きTPP交渉継続を

 

トランプ政権が、日米など12カ国によるTPPから一方的に離脱したことへの批判も根強い。毎日は、日本政府に対し二国間交渉よりも「米国には、アジア太平洋地域全体の成長に資するTPPへの復帰を粘り強く求めてほしい」と要望。さらに「トランプ政権のペースに持ち込まれない道を探るべきだ」とクギを刺し、場合によってはTPPにおける米国抜き発効へ含みを残した。

 

日経も、日米双方の利益となる「中長期的な構造改革を進める視点」を持つべきだとして、二国間交渉はTPP合意をベースにするとともに「米離脱後のTPPが空中分解しないよう、米を除く11カ国での発効を探る必要もある」と論じた。

 

産経も、TPPが目指した戦略性を見失わないように米政権への説得継続を求めるとともに、「日米対話と並行し、米国抜きのTPP発効についても関係各国と十分に検討すべきである」と主張した。その意図は、貿易・投資分野ではTPP合意が“到達点の基本”であり、交渉が難航した知的財産保護などのTPPルールには先進的なものが多くあることから、「将来的に米国が合流する道筋を作っておくのが肝要だ」と指摘した。

 

朝日は、世界経済は各国の産業サプライチェーンによって繋がっており、二国間主義はそうしたサプライチェーンを分断しかねないとして、「二国間交渉へと走る超大国の目を、どうやって多国間の枠組みに向けさせるか」として、今後のTPP交渉継続に含みを持たせた。

 

 

※このページは、公益財団法人フォーリン・プレスセンターが独自に作成しており、政府やその他の団体の見解を示すものではありません。

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