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G7伊勢志摩サミット | 公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)

社説読みくらべ

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G7伊勢志摩サミット

投稿日 : 2016年06月06日

 

G7 summit

 

朝日:世界経済は危機前夜か

産経:厳しい対中認識共有した 安全保障や経済でも連携を

日経:世界の安定へ重くなるG7の役割

毎日:演出された「経済危機」

読売:世界経済のリスクを回避せよ 海洋秩序維持へ連携強化したい

 

写真:picture alliance/アフロ

 

 

 

主要国首脳会議(G7)が5月26、27両日、三重県の伊勢志摩で開催され、サミット首脳宣言を採択して閉幕した。全国紙5紙は同29日付の社説で一斉に成果などについて論評したが、世界経済の見通しを巡る各国の認識共有の問題と、中国、ロシアに対する政治的結束の2極に論旨は分かれた。

 

■ 世界経済は危機的か

 

読売は、G7首脳宣言は、世界経済の危機を克服するため、「先進7か国(G7)がその覚悟と解決への道筋を宣言したと評価できる」とし、「需要不足を補うため、機動的な財政戦略での協力を盛り込んだ」ことを成果と位置づけた。また、「財政出動に積極的な日米と、慎重な独英との間で、一定の認識共有が図られた意義は小さくない」と評価した。

 

日経は、G7首脳会議で「低成長の克服へ結束を確認したのは意義がある」と評価するとともに、主要国の中で最も成長率の低い日本の責任は「とくに重い」、「財政健全化にも目配りがいる」と論じた。また、「安倍首相は新興国経済や資源価格の動きが2008年のリーマン・ショック前に似ていると説明した。未曽有の金融危機と現状を同列視するのは無理があり、財政出動、そして、消費税増税の延期に向けた理論武装とみられても仕方がない」として、財政出動が成長に貢献するのか慎重に見極めるとともに、「増税延期も将来不安の解消にはつながらない」と論じている。

 

朝日は、安倍首相がサミット後の記者会見で「『リーマン・ショック以来の落ち込み』という説明を連発した」として、この発言は「『世界経済の回復は継続しているが、成長は緩やかでばらつきがある』との基本認識を示した首脳宣言を逸脱している」と厳しく指摘した。特に、首相発言は消費増税の再延期への布石ではないかとの観点から、「消費増税の再延期は経済政策の方向を誤ることになりかねない。しかも、それにサミットを利用したことで、日本がG7内での信認を失うことを恐れる」としている。

 

毎日もこの点について、「増税は先送りしたいが、自らの経済政策が失敗だと非難されるのも困る。首相としては増税再延長の仕掛けにG7サミットの活用を考えたのだろうが、そう受け取られること自体、日本の信用を損なう」と同様の批判をした。

 

■ 厳しい中露対応を求める

 

産経は政治・外交議題に特化し、「先進7カ国(G7)が中国の海洋進出に対する厳しい現状認識を共有したこと」を最大の成果として挙げた。特に、対中経済関係を強化している欧州側が、今回のサミットで厳しい対中認識をもつ日米と歩調を合わせたことについて、「従来とは様相の異なる動きとして注目したい」と指摘した。また、「南シナ海の大半に主権が及ぶという中国の主張に根拠はない」と断じるとともに、中国外務省が首脳宣言に南シナ海問題が盛り込まれたことに猛反発したことについても「対中結束に対する焦りの裏返しといえる」と論じた。

 

読売も東シナ海、南シナ海における中国の海洋進出について、「地理的に遠い欧州各国の首脳も認識を共有し、……東・南シナ海の状況への『懸念』を首脳宣言に明記できたこと」を成果として挙げた。

 

これに対し、毎日は「力による現状変更」を進める中露両国に対する政治討議について、「総論では一致しても個別の対処方法では食い違いが残った」とG7内の対応の温度差を指摘した。特に対中関係では、「首脳宣言は中国への名指しを避け、米軍が実施している航行の自由作戦を含めた対抗策にも踏み込まなかった」とするとともに「G7も一枚岩では難しい現状が浮き彫りになった」としている。また、ロシアについて、対ロ制裁に強硬な米英、制裁緩和論に立つ独仏伊、北方領土問題を抱える日本は、三者三様で利害が錯綜していることから、「首脳討議は白熱して結論に至らず、首脳宣言は制裁継続か解除かはロシアの対応次第という昨年の文書を踏襲せざるを得なかった」と対応の難しさを指摘した。

 

日経は、中露両国から責任ある行動をどう引き出すかが重要な問題としながらも、対中関係では「昨年に続き、今年も中国を名指しすることは避けるなど、一定の対中配慮ものぞいた」と分析した。その上で、「いくら正しい主張をかかげても、内部の足並みが乱れていたら、G7が世界に影響力を振るうことはできない」として、G7のさらなる結束の必要性を強調した。

 

また、日本にとって大きな懸念材料である北朝鮮問題に言及したのは、産経と読売だけで、産経は「北朝鮮の暴走を食い止め、拉致問題を解決するためにも、欧州各国の一層の関与が欠かせない。国連安全保障理事会の対北制裁をすべての国が厳格に履行するようG7が主導したい」と言及するにとどまった。

 

 

※このページは、公益財団法人フォーリン・プレスセンターが独自に作成しており、政府やその他の団体の見解を示すものではありません。

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