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日本国憲法施行70年、その特異な構造とは

投稿日 : 2017年05月23日

日本国憲法施行70年、その特異な構造とは


ケネス・盛・マッケルウェイン 東京大学社会学研究所准教授

「日本国憲法の特異な構造が改憲を必要としてこなかった」

中央公論5月号



東京大学社会学研究所准教授のマッケルウェイン氏は『中央公論』の論文で、「日本国憲法が構造的にとても特殊だったために、改憲しなくて事足りた」と論じた。同氏によると、日本国憲法の単語数は4,988ワードで、世界の憲法の平均2万1,000ワードに比べて圧倒的に短いとした上で、戦後一度も改憲しなくて済んだ理由は「その短さにある」と指摘した。その理由については、「日本国憲法は選挙制度一つとっても、ほとんど憲法に明確な規定がなく、『法律でこれを定める』とされているものが多い」からだとしている。ちなみに公職選挙法は過去58回改正されている。

 

その一方で、同氏は日本国憲法には「人権の規定が多く、統治機構に関する記述が少ない」との特徴を挙げ、選挙制度や地方自治などの統治機構に関する規定が少ないことについて「立憲主義に基づきながら、日本の憲法はあまりに未規定な部分が多すぎるのではないか」と指摘した。衆参両院選挙における“一票の格差”問題も「日本国憲法が短く、曖昧な箇所が多いことによる」としている。このため、同氏は「日本国憲法ももう少し統治機構について明示し、権力者による恣意的な制度運営などを抑制することが望ましい」とするとともに、「日本国民も実情に合わせて憲法改正を行うことを選択肢に入れるべきだ」と提言した。



写真:ロイター/アフロ     日本国憲法 署名原本(複製)


※このページは、公益財団法人フォーリン・プレスセンターが独自に作成しており、政府やその他の団体の見解を示すものではありません
                                                        

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