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東芝債務超過/慰安婦合意と日韓関係 | 公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)

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東芝債務超過/慰安婦合意と日韓関係

投稿日 : 2017年03月22日

東芝債務超過

 

aflo_LKGH558183日本を代表する大手企業の東芝は、2015年に発覚した粉飾決算に続いて米国の原子力事業で“7千億円超”の損失を出し、存亡の危機に立たされた。東芝の債務超過問題についてはなお事態は流動的であり、いまだ推測の域を出ないが、問題点を洗い出した記事には以下のものがある。

 

・細野祐二「債務超過の悪夢―東芝ウェスティングハウス原子炉の逆襲」世界3月号

 

会計評論家で公認会計士の細野祐二氏は、「世界」の論文で、東芝の債務超過の現状は「いくら資金を投入しても、根本的な解決にはならない」とし、今後、原発事業そのものを廃止しなければ東芝は生き残れないとの厳しい見方を示した。

 

東芝は粉飾決算が表面化した当時、問題となった1500億円を超える利益操作(粉飾)は「会計処理の誤りに過ぎない」との立場を崩さなかったが、細野氏は問題発覚直後から、本当の原因は東芝の米国子会社であるウェスティングハウス(WEC)の原子力事業の減損にあるといち早く指摘してきた。

 

細野氏によると、問題は、「東芝=WEC」が15年に米建設会社「ストーン&ウェブスター」(S&W)を買収したことにある。11年の福島原発事故後、原発事業の安全基準が厳しくなり収益性が著しく低下していたにもかかわらず、WECはなぜ収益性の見込めないS&Wを買収したのか。細野氏は、WECが「S&Wが利益を生むどころか追加原価で収益見通しが立たないことをしっかり認識」したうえで、会計帳簿に計上されない簿外債務があっても、どうしてもと0ドル買収を強行した理由は、WECの収益性問題を隠ぺいするためだったのではないかと指摘した。

 

細野氏は、現状において原発発電コストが安価なのは「廃棄コストを含む原発の管理コストを安く見積もっているからに過ぎない」と断じ、子会社S&Wの追加原価(コスト)は「社会が許容できる原発管理の厳格化に応じて発生し、原発建設が経営的に意味をなさない限界点まで止むことがない」と強調した。

 

・児玉博「経産省は東芝を見放した」 文藝春秋3月号

 

ノンフィクションライター児玉博氏は、国内の原子力事業で大きな役割を担ってきた東芝に対する政府の対応の変化を​レポートしている。児玉氏は、15年の粉飾決算当時は官邸の重要ポストに東芝OBが配置されていたため、政府は「東芝の病巣を摘出することなく蓋をした」としたうえで、今回の事態を受けた経産省の動きについて「経産省全体が東芝を突き放している」と​の見方を示している。米国内の原発建設が3割しか完了していない時点で数千億円の損失を出している現状からすれば、「工事が進めば一体どれほどまでに膨れ上がるのか、誰も把握できていない」と指摘。今後、東芝再建がどのように推移するかは予断を許さない​としつつも、「切り売りによる解体が現実味を帯びてきた」と​の見方を示している。

 

・大西康之 「大企業『相談役・顧問』リスト」 文藝春秋3月

 

ジャーナリストの大西康之氏は文藝春秋が実施した大企業の「相談役・顧問」制度に対するアンケート結果について、日本企業には「権限も責任もはっきりしない相談役・顧問の肩書で経営に参加する『長老』がいる」と指摘。東芝については、16年6月に粉飾決算を受けて相談役・顧問制度を廃止したにもかかわらず、「現時点でも前社長の室町氏が特別顧問、西室氏を含む社長経験者四人が名誉顧問についている」と批判。さらに、「東芝の粉飾決算で、こうした日本的経営の異常さが海外投資家の知るところとなり」、日本企業の “制度の形骸化”というガバナンスへの疑念が高まっていると強調した。

 

 慰安婦合意と日韓関係 

 

・黒田勝弘 「約束を守れない隣国 韓国の行く末」正論3月号

 

ジャーナリストの黒田勝弘氏は「正論」の特集論文で、韓国・釜山の日本総領事館前に従軍慰安婦像が設置された問題で、政府が駐韓日本大使と駐釜山総領事を一時帰国させたことについて、「日本の対韓外交の質的変化を物語るものである」と評価した。黒田氏は、韓国政府や韓国マスコミの今回の反応が日本批判ではなく、「そこまでやるか」という驚きと戸惑いだったことについて、韓国で広がっている「外交的な孤立感」が背景にあると分析する。同時に黒田氏は、「日本の主張してきた国際法違反論がやっと韓国で“陽の目”をみた」としている。

 

また、黒田氏は朴槿恵政権のスキャンダルで、日韓両国の「慰安婦合意」に批判的な革新政権の誕生が有力視されていることについても、「誰が次期政権を担おうが『韓国は国際的におかしい』という国際カードを有効に活用すればいい」と強調した。

 

・岸田文雄 「『変化の年』を展望する―未来志向が実を結ぶ外交を』外交 Vol.41

岸田文雄外相は、「外交」のインタビューの中で、日韓関係について「韓国は、戦略的利益を共有する最も重要な隣国」とした上で、15年末の慰安婦問題に対する日韓合意は「安全保障分野での日韓協力を進める上で大きな意義があった」と改めて強調した。その上で、岸田外相は釜山の日本総領事館前の慰安婦像設置について、日韓合意と領事関係に関するウィーン条約に反するとして、「合意の実施は日韓双方にとって国際社会に対する責務であり、地域の平和と安定、ひいては国際社会に寄与する」と、合意の着実な実行を重ねて求めた。

 

写真:AP/アフロ

 

※このページは、公益財団法人フォーリン・プレスセンターが独自に作成しており、政府やその他の団体の見解を示すものではありません。

 

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