プレスツアー(案内)

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実施日 : 2006年10月10日

新潟市プレスツアー

投稿日 : 2013年08月25日

人口81万人・食料自給率67%を誇る「日本初・田園型政令市」新潟の『農』のルネサンス

 

実施日:2006年10月12日(木)~13日(金)

 

 

2007年4月1日に、本州日本海側で初めての政令指定都市となることが内定している新潟市。昨年、近隣13市町村との合併を済ませ、現在の人口はおよそ81万人。政令指定都市となれば、食料自給率67%と突出した農業生産力を誇る、日本で唯一の「田園型政令市」が誕生する。(ちなみに現在の政令市における食料自給率第1位は仙台市の約6%)

 

積雪がもたらす水の恵みにより、新潟県は古くから日本の米どころとして名を馳せた。江戸時代には、新潟を拠点に米を積んだ北前船の航行が始まり、その後、信濃川・阿賀野川河口エリアの干拓・開墾事業などにより農地・耕地も広がりを見せた。

 

今日、日本有数の農業地域である越後平野の中心に位置する新潟市は、国際空港と特定重要港湾といった高次の都市機能も兼ね備えており、今後はアジアの拠点として、強みである「農」の可能性を追求しながら、食料、エネルギー、環境等の地球規模の課題に取り組むことを打ち出している。

 

FTAや減反政策、後継者不足等、日本の農家を取り巻く環境は依然として厳しいなか、「米ぬかを利用したバイオビジネス」、「高付加価値米の開発」「ワインの澱を利用した化粧品開発」、そして日本海岸という地の利を生かしたロシア向けの農産物輸出など、新たな「農」ビジネスが新潟で次々と産声をあげており、「農」の新潮流として各方面から大きな期待が寄せられている。

 

横浜、神戸、長崎、函館とともに、開港五都市のひとつとして独特の「みなとまち」文化を育んできた新潟市。政令市認定を契機に、2008年には「開港都市サミット」として横浜市と共同によるG8サミットの誘致を表明している。また、プレスツアー実施日の10月12日(木)からは、同市において「食と花の世界フォーラム・にいがたプレ2006」も開催され、「食と花で世界に貢献」のメッセージを広く発信してゆく構えである。この機をとらえて同市を訪問し、新潟の「農」のしなやかさと底力を再発見し、これからを展望する。

 

※当プレスツアーは新潟市が主催し、フォーリンプレスセンターが企画協力しています。
※新潟市ホームページ:

http://www.city.niigata.lg.jp/

 

 

 

 

取材内容

 

 

【写真1】新潟市街地全景
【写真2】篠田昭 新潟市長
【写真3】亀田製菓のヘルスケア商品
【写真4】新潟産米

  

1.篠田昭・新潟市長による記者会見>> Link

 

2005年、近隣13市町村と合併し、人口81万人となった新・新潟市。合併前の2002年、「本州日本海側初の政令指定都市をつくること」と、「合併に伴う市役所改革」を公約に掲げて市長に就任した篠田市長は、行財政の効率化などを盛り込んだ「合併マニフェスト」を制定。「世界と共に育つ日本海政令市」「大地と共に育つ田園型政令市」「地域と共に育つ分権型政令市」の三本柱によるまちづくりを進めている。全国有数の農地や農業資源、豊かな自然環境を誇る新・新潟市のビジョンを、篠田市長みずから語っていただく。

 

 

2.「食と花の世界フォーラム にいがたプレ2006」 ~食と花で世界に貢献~
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新潟市では2007年の政令市への移行を機に、食と花をテーマとした国際会議と同テーマ関連企業が集結する国際見本市からなる「食と花の世界フォーラム」を始動させる。同フォーラム実施前の最終プレ・イベントが10月12日から15日まで開催され、「よりよい食を求めて」をテーマとするシンポジウム、市民参加型のイベントや食と花の見本市が行われる。今回のプレスツアーでは、来場者で賑わうフォーラム会場を視察するとともに、会場内において、新潟市農業振興課長の高橋行雄氏より、大農業都市=新・新潟市の根幹をなす「農業政策」の方向性やその具体的取り組みについて説明いただく。従来の「都市VS農村」という対立軸ではなく、ひとつの政令市のなかにその両方を融合させることで「農」の新潮流を生み出したいと考える同市。近年、自動車燃料として期待が高まる「バイオエタノール」の原料となる米の栽培も実験的に進めており、コメの価格変動もにらみつつ実用化の可能性を探っている。

 

 

3.亀田製菓株式会社 -人とお米を真ん中に-

 

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「日本の食を支える米を通じて社会に貢献すること」を社訓に据える同社は、「あられ」や「おせんべい」など、米菓の製造で3割近いマーケットシェアを占める業界トップ企業。年間120億円を売り上げる銘菓「柿の種」を筆頭商品に、圧倒的な知名度を誇る。同社「お米科学研究室」では、昨今の健康志向、高齢化、医療現場のニーズにあわせ、「米」の新しい機能に着目した商品開発が盛ん。2000年には米から分離した植物性乳酸菌を使い、生乳と米を発酵させた『植物性乳酸菌ヨーグルト』を発売。植物性乳酸菌は米や植物の発酵が得意であり、米を主食とする日本人の整腸作用を高める。また、2003年には、慢性腎不全患者の食事療法用食品として、米に含まれるたんぱく質を1/25にまで減少させた「ゆめごはん1/25」、さらに、生活習慣病の一つである糖尿病性腎症用の「ゆめごはんプラス」を発売。高齢者の嚥下(えんげ=飲み込むこと)をサポートする介護食『ふっくらおかゆ』シリーズは厚生労働省より特定保健用食品の表示許可を得た。課題は採算性だが、同室長の渡辺紀之氏は「食生活から健康を守る上でコメの力は大きい」と語る。ツアーでは、渡辺室長のプレゼンテーションに加え、一日に約1万8000食を製造する「ゆめごはん」の生産ラインを視察する。

 

 

4.JA白根市「ロシア・台湾への農作物輸出の取り組み」

 

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新潟市中心部から南へ15キロ、2005年3月に新潟市へ編入合併した旧白根市の特産物は「果樹と花卉」。春はチューリップ、夏から初冬にかけては桃や梨が生産のピークを迎える。JA白根市が運営する「フルーツフラワーしろね」では、秋になると、「糖度13.5%以上」を誇る「豊水」や、1個800gもある「新高」といった新潟ブランドの梨が白根地区各地から集まり、丁寧な選別作業の後、全国各地に次々と出荷される。数年前からロシアや台湾向けの輸出も始まり、日本では1個200~300円程度で売られる梨が、ロシアで700円、台湾で700~900円という高値にもかかわらず、富裕層を中心に飛ぶように売れているという。「安全、安心、そして美味しい食材」を求める人々からの熱い視線が白根産果物に注がれるなか、「フルーツフラワーしろね」場長の長沢義弘氏は頻繁にロシアや台湾へと足を運び、現地の輸入・小売業者と商談を重ねている。「日本国内の流通量に比べれば輸出量は微々たるものだが、国内市場に競争を持ち込んで硬直した農業を活性化したい。」と豊富を語る。今回のプレスツアーでは、「フルーツフラワーしろね」で長沢場長にお話を伺った後、選果作業を視察。その後、実際に梨の生産農家のほ場を訪ね、生産者にも話を聞く。また、新潟の秋の風味である食用菊(かきのもと)の生産農家も訪ねる。

 

 

5.北方文化博物館>> Link

 

阿賀野川にほど近い、新潟市南東部・横越地区に位置する「北方文化博物館・豪農の館」は、かつて越後の大地主であった伊藤家の本邸を広く一般に公開しているもの。江戸時代から続く伊藤家は、かつて1370町歩(=14平方キロメートル)の田畑と、2800名あまりの小作人を抱える大地主で、昭和初期には新潟県下第一の地主であったという。現在「豪農の館」として公開されている伊藤邸は、建坪4000平米、部屋数65。欅造りの邸内大広間からは四季折々の庭園風景が楽しめ、かつて隆盛を誇った「越後の豪農文化」を今に伝える貴重な建造物として、訪れる人々を魅了する。これまで、皇太子殿下ご夫妻、秋篠宮妃殿下も訪問されている。今回のツアーでは、現在の当主である伊藤館長のご案内により「豪農の館」を視察した後、敷地内の食事処「みそ蔵」にて、越後のコシヒカリ膳を食す。

 

6.新潟市バイオリサーチセンター

 

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産学共同研究の発展をめざし、新潟市から委託を受けた新潟バイオリサーチパーク株式会社が2005年11月から運営するインキュベーション施設。隣接する新潟薬科大学とも連携し、地域農業振興策も視野に入れたバイオ研究が入居企業・団体により進められており、将来の新潟のバイオビジネスを担う新しい技術が早くも産声をあげている。

 

(6-1)「米ぬかから化学工業原料カテコールを生産」(新潟バイオリサーチパーク推進機構株式会社):
主にナイロンの原料や医薬品等に応用されている化学工業原料、カテコール。これまでカテコールは石油を原料として生産されていたが、このほど同社では産業廃棄物同然に扱われてきた地元産・米ぬかを原料に、酸・酵素処理、そして大腸菌培養等を経て、カテコールを生成することに成功。今後は化学繊維生成のほか、抗糖尿病薬開発等の分野への応用も期待されている。今回のツアーでは、同社代表取締役会長で、長く東京工業大学で教鞭を振るった池川信夫氏に、開発の経緯、新技術の競争力や市場性についてお話いただく。

 

(6-2)「ワイン化粧品、天然防腐成分“アポラクトフェリン”の開発」(株式会社エヌ・ピー):
赤ワイン醸造行程で生じ、沈殿する澱は、従来は産業廃棄物として廃棄されるか、家畜の飼料として利用されるだけにとどまっていた。同社は、その澱を用いて、天然ポリフェノールなどの美肌成分が豊富な基礎化粧品を開発した。また、主に母乳等に含まれるラクトフェリンから、抗菌作用の強いアポ型ラクトフェリンを生成する技術を応用し、天然防腐成分を開発。このアポラクトフェリンを用いた化粧品を、近日中に発売する。欧州のバイオ産業の集積地、フランスのリヨンに現地法人を持ち、研究開発の強化とブランド力の向上に努める。同社社長の中村たかお氏に、未踏の分野であった「ワインの澱」研究の独自性やこれからの可能性、更に海外も視野にいれたビジネス戦略について伺う。

 

(6-3)「プチヴェールの抗ガン活性の解析と、特産化プロジェクト」(新潟薬科大学/JA新津さつき):芽キャベツとケールを交配して生み出された新しい野菜「プチヴェール」は、甘くて栄養価に富むため、健康野菜として新潟市新津地区で積極的に栽培されている。新潟薬科大学の小西教授、西田助手らの研究チームは機能性野菜開発の視点からプチヴェールの豊富な成分と、アブラナ科でこれまで多くの抗ガン活性成分が認められているという疫学的データに着目し、「抗ガン活性」の解析を進めている。この様な学術的背景を元に近い将来「抗ガン効果」が確認されれば、プチヴェールの商品価値が上がると共に、需要の拡大が期待される。JA新津さつきではプチヴェールを特産野菜に育てたいとして、地元生産者に栽培を働きかけると同時に、安定した栽培を行うための技術を提供している。

 

【写真5】JAしろね 長沢義弘氏
【写真6】梨の選別(糖度検査)
【写真7】「豪農の館」大広間から庭園を望む
【写真8】新潟バイオリサーチセンター所長 池川信夫氏

 

実施要領

 

 

1) 日程(案):

 

DAY 1: 10月12日(木)

 

07:30 JR東京駅(上越新幹線プラットホーム)集合
07:48 同発(Maxとき307)
09:54 新潟駅着(新潟市手配のバスにて移動)
10:25 ホテル新潟(「食と花の世界フォーラムにいがたプレ2006」会場)着
10:30-11:40 新潟市概要、及び農政についてのブリーフィング
12:00-13:00 昼食(@新潟市歴史博物館併設レストラン「ぽるとカーブドッチ」)
13:30-14:30 篠田昭市長表敬(@新潟市役所)
14:50-17:00 亀田製菓 取材
18:00-20:00 「食と花の世界フォーラムにいがたプレ2006」レセプション(@ホテル新潟)
ホテルターミナルアートイン泊

 

DAY 2: 10月13日(金)
08:20 ホテル発(新潟市手配のバスにて移動)
09:15-11:00 JAしろね 取材
11:30-12:30 北方文化博物館 取材

 

12:30-13:30 昼食(@同館併設レストラン「みそ蔵」)
14:00-16:00 新潟市バイオリサーチセンター 訪問
-「米ぬかからカテコール」
-(株)NP「ワイン化粧品」
-「プチヴェールの抗ガン活性作用」取材
16:50 新潟駅着
17:11 同発(Maxとき340)
19:20 東京駅着

 

2)参加資格:外務省発行外国記者証保持者

 

 

3)参加費用:1人¥13,000-(全行程交通費、食事、宿泊を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等については参加者に通知します。

 

4)募集人数:先着順10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)

 

5)参加申込: FPCホームページ「メディア・アシスタンス」の「プレスツアー情報・申込」ページ

 

より直接お申し込み下さい。
(申込フォームへはユーザー名:fpcj、パスワード:membersでアクセスできます。)

 

 

6)FPC担当:小泉、吉田(Tel:03-3501-5070)

 

7)備考:
(1)写真・TV撮影は一部制限があります。担当者の指示に従って下さい。
(2)新潟市、及びFPCはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。 

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