プレスツアー(案内)

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実施日 : 2009年07月16日

【プレスツアー】2009年7月16日:農業を“かっこいい仕事”に!-若者が変える日本の農業

投稿日 : 2013年08月22日

少子高齢化若者の農業離れの影響で、農業従事者は年々減少し、その70%が60歳以上というのが現状だ。この危機的状況に立ち向かうべく、一度は都会で企業に就職した農家の息子・娘達が、農業の魅力や重要性を再認識し、会社を辞めて、自ら担い手となって立ち上がり始めた。

 

若手農業家グループ「農家のこせがれネットワーク」は、「若者の就農を増やすには、従来の農業のイメージを変え『かっこよく、感動があって、稼げる仕事』にしなければならない」と、職業としての農業の魅力を若者に対してアピールする活動や、若者の就農の促進・支援をしている。今回のプレスツアーでは、日本の農業の原型とも言える小規模家族経営農業の新たな活路を開拓する若い農業家たちの動きを追う。

 

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プレスツアー:農業を“かっこいい仕事”に!
~若者が変える日本の農業~ (変わりゆく農業シリーズ第2弾)

 

少子高齢化若者の農業離れの影響で、農業従事者は年々減少しており(1998年から10年間で23%減)、農業の担い手の70%が60歳以上というのが現状だ。農水省では現在40%の食糧自給率を2015年までに45%に高めようと目標を掲げているが、若者の就農無くしてはその実現は難しい。この危機的状況に立ち向かうべく、若い農家の息子・娘たちが立ち上がり始めた。

 

一度は都会で企業に就職した農家の息子・娘達が、農業の職業としての魅力重要性を再認識し、会社を辞めて、自ら農業の担い手となっているのだ。彼らは、若いパワーやアイデア、企業で培った営業経験等を生かして、農業をビジネスとして成功させており、日本型の小規模家族経営農業の生き残る道として注目されている。

 

このような若手農業家によって結成されたグループ「農家のこせがれネットワーク」が、「若者の就農を増やすには、従来の農業のイメージを変え、『かっこよく、感動があって、稼げる仕事』にしなければならない」と、職業としての農業の魅力を若者に対してアピールする活動や、若者の就農の促進・支援をしている。さらには、減反政策によって生まれた地方の耕作放棄地の再生も計画中だ。

 

前回、6月2日に実施した「野菜工場」プレスツアーでは、産・官・学が一体となった、大規模・組織経営型の新たな農業の形を取り上げた。一方、今回のプレスツアーでは、視点を変え、日本の農業の原型とも言える小規模家族経営の新たな活路を開拓する農業家のあり方に注目する。現在、経済危機の影響で雇用が悪化するなか、職業としての農業に急速に注目が高まっている。そのような現状を踏まえ、農業と向き合う現場の若い農業家たちの新たな動きを追う。

 

 

 

【取材内容】

 

1.農家のこせがれネットワーク(NPO法人申請中) ブリーフィング

(代表理事CEO 宮治勇輔氏/1978年生まれ、31歳)

 

~農業をかっこよくて・感動があって・稼げる産業に~

 

30代の農家の息子・娘達が中心となって結成された、「農家のこせがれネットワーク」では「かっこよくて・感動があって・稼げる農業」を目指して、若者の就農を促進する活動を展開している。彼らの多くが最初から家業の農業を継いだのではなく、一度は都会で企業に就職した経験を持つ。農業の危機的状況や、再生の重要性を改めて実感したことで、会社を辞め、実家に戻って農業に従事しているのだ。

 

同ネットワークでは、農家と生産者を繋げるプラットフォームとして、直販イベントの開催、農家へのマーケティングやブランディング支援を行っている。また、丸の内朝大学等を通じた就農者の育成や、愛媛県の耕作放棄地再生プロジェクト等、地方農業の再生も計画している。

 

代表の宮治勇輔氏は、養豚農家の長男で、大学卒業後に東京の企業で営業などを経験した後に就農を決意。神奈川県藤沢市にある実家の養豚業を継ぎ、株式会社みやじ豚を設立した。一般消費者にバーベキューの形で豚肉を食べて貰い、ダイレクトに消費者の声を聞く「バーベキュー・マーケティング」で自社の豚をトップブランドに押し上げた。そして2008年には、自社の「みやじ豚」農林水産大臣賞を受賞した。

 

ブリーフィングでは、農家のこせがれネットワークの趣旨や活動事例、またご自身の農業についてお話頂く。

 

 

 

2.自然農園レインボーファミリー
(千葉県流山市 笠原秀樹氏/1974年生まれ、35歳)

 

~循環型農業/生産者の顔が見える農業~

 

千葉県流山市自然農園レインボーファミリーでは、放し飼いで育てた鶏卵の生産と、無農薬・有機栽培の野菜の生産を行っている。鶏糞が野菜の肥料となり、野菜屑はニワトリの餌となる循環型の農業だ。同農園では、大消費地である東京近郊という利点を生かし、高付加価値の農作物を直接契約した消費者に宅配している。まさに作り手の顔の見える都市型農業である。

 

代表の笠原秀樹氏は「契約した消費者には生産の様子をその目で確かめて貰いたい」と、農園への見学を積極的に受け入れ、農薬を一切使わなくとも「旬に忠実に野菜作りをすれば害虫被害はそれほど多くはない」と語る。また、笠原氏は「東京に近い流山」は、新規の就農希望者が都会で働きながら農業を学ぶのに最適な場所」として、同地の就農者支援・教育拠点としての可能性にも注目し、流山市の行政との連携も計画している。

 

 

 

3.ベリベジ畑直ステーション
(千葉県松戸市 斎藤正明氏/1979年生まれ、30歳)

 

~農家の想いを伝えるPR拠点~

 

自分の畑でとれた農産物を、農協や卸売りを介さず、直接消費者に販売することを目的とした店舗「ベリベジ 畑直ステーション」。JR松戸駅前の店には、この店の「野菜の味」に魅せられた客が次々に訪れている。

 

農家兼店主の斎藤正明氏は、「野菜は工業製品とは違い、規格だけで良さが決まるものではない。生産者が消費者に直接会って販売することで、生産者の想いや味の良さを伝えることができる」と語る。

 

元々斎藤家では松戸に畑を持っていたが、正明氏も一度は種苗メーカーに就職。しかし、地方を営業で回るうちに、農業の現状への危機感を感じると共に、将来性にも気付いたという。

 

 

 

4.小川ファーム
(千葉県柏市 小川幸夫氏/1974年生まれ、34歳)

 

~虫と生態系の力を借りた無農薬農業~

 

小川ファームでは、100種類もの野菜の無農薬栽培を行っているが、安全で美味しく、そして安い野菜の生産を実現するために活躍しているのが昆虫だ。

 

小川幸夫氏は、虫をこよなく愛する昆虫博士のような異色の農業家。豊富な虫の知識を生かし、それぞれの作物につく害虫の天敵を効果的に利用している。例えば、非常に難しいと言われるイチゴの無農薬栽培は、アブラムシを食べるテントウムシを放つことで成功させているのだ。まさに生態系の力を借りた農業と言える。幸夫氏は、「生態系のバランスを見守るのが自分の仕事」と語る。

 

小川家は、江戸時代から代々続く農家だが、幸夫氏も一度は農業機械メーカーに就職。一旦実家を離れることで、客観的に、消費圏に近い実家の柏市における都市農業の利点や可能性が見えるようになり、就農したという。

 

 

 

 

【実施要領】

 

1.日程: 2009年7月16日(木)

 

08:50 FPCJ集合(日本プレスセンタービル 6階)
09:00-10:20 農家のこせがれネットワーク ブリーフィング (宮治勇輔氏代表)
10:30 日本プレスセンタービル発(借り上げバスで移動)
11:30-12:00 畑直ステーション ベリベジ視察(斎藤正明氏)
12:20-13:40 昼食
レインボーファミリー 笠原秀樹氏ブリーフィング
14:00-15:00 自然農園レインボーファミリー
15:00-15:30 移動
15:30-17:00 小川ファーム
18:00 日本プレスセンタービル着

 

2.参加資格:外務省発行外国記者登録証保持者

 

3.参加費用:2,000円(昼食代、交通費含む)
*お支払い方法、キャンセル料等は、直接参加者にご連絡します。

 

4.募集人数:先着順10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。
*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5.FPCJ担当:吉田、小泉(Tel: 03-3501-3405)

 

7.備考
当センターはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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