プレスツアー(案内)

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実施日 : 2011年08月25日

案内:川崎プレスツアー(2011年8月25日)

投稿日 : 2013年08月22日

次世代エネルギーのショーケース

 

東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発における事故を受け、今後の日本のエネルギー政策への関心が高まっている。今年5月に開かれたドーヴィル・サミットで、菅直人首相は、2020年代のできるだけ早い時期に、自然エネルギーの割合を20%以上に高めることを表明した。また同月、ソフトバンクの孫正義社長は、19の自治体と自然エネルギーの普及に向けた協議会を設立するとともに、全国で大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設を進めることを発表した。さらに、再生可能エネルギー源を用いて発電された電気について、国が定める一定の期間・価格で電気事業者が買い取ることを義務付ける「再生可能エネルギー特別措置法案」も国会での審議の行方が注目されている。

 

こうした自然エネルギー推進の動きが加速する中、川崎市では、低炭素化社会の実現に向けた「カーボン・チャレンジ川崎エコ戦略(CCかわさき)」を展開しており、首都圏では初となるメガソーラーが8月10日に営業運転を開始したほか、国内最大級のバイオマス発電所も今年2月に稼働を開始した。また、こうした自然エネルギーに加え、世界最高水準の発電効率を誇る天然ガス発電施設など臨海部には数多くの発電施設が集積しており、電力供給不足に悩む首都圏の経済活動や市民生活を陰で支えている。さらに、川崎市では、駅や教育施設へも、積極的に環境技術を取り入れており、自然エネルギーを身近に体験できる取り組みを推進している。また、同市は、川崎から
世界に環境技術を伝えることを目的とした国際環境技術展を2009年から毎年開催している。

 

高度経済成長期の深刻な公害を克服し環境都市を標榜する川崎市。ツアーでは、その厳しい環境基準を満たす発電施設が集積する同市臨海部の他、市中心部の公共施設を訪れ、再生可能エネルギーの現状を取材し、日本のエネルギーの将来を探る。

 

<取材内容>

 

1.阿部孝夫・川崎市長会見

 

川崎市は、様々な再生可能エネルギー施設を有機的に結び付け、市内全域を「エネルギーパーク」として位置付ける「CCかわさきエネルギーパーク」構想を推進中で、これが国の「次世代エネルギーパーク」に認定されている。市内には国内最大級の大規模太陽光発電所、風力発電所、地中熱利用施設などがあり、多様な再生可能エネルギー施設の実験場となっている。また、同市は川崎市から世界に環境技術を伝えることを目的とした国際環境技術展を2009年から毎年開催している。

 

ツアーでは、2001年の就任以来、市民・事業者・行政が一体となった環境政策のリーダーシップを取る阿部市長から、再生可能エネルギーの導入や普及啓発、実証等を推進する川崎市の取り組みについて話を伺う。

 

 

2.浮島太陽光発電所

 

羽田空港から離陸する飛行機が上空を飛び交う川崎市の浮島太陽光発電所は、首都圏では初のメガソーラーとして、8月10日に稼働を開始した。出力約7千kWで、今年12月に完成予定の扇島太陽光発電所と併せて出力合計約2万kWと国内最大級の太陽光発電所となる。いずれも川崎市と東京電力の共同事業で、電力供給設備としては、東京電力初のメガソーラー発電設備。隣接地には、浮島太陽光発電所の発電量がリアルタイムで確認できる「かわさきエコ暮らし未来館」が8月6日にオープンした。 川崎市では、このような学習施設を拠点に、再生可能エネルギーの普及促進を図っている。

 

ツアーでは、「エコ暮らし未来館」で川崎市担当者より、臨海部に集積している発電施設の概要について説明を受けると共に、浮島太陽光発電所を視察する。

 

 

 

3.川崎バイオマス発電所

 

川崎バイオマス発電所は、住友共同電力株式会社、住友林業株式会社などが出資する川崎バイオマス発電株式会社が今年2月に稼働を開始。バイオマス専焼設備としては、国内最大の3万3千kWの発電出力を誇る。東日本大震災以降は、稼働率を約90%から100%に高め余剰電力を東京電力へ供給している。建築廃材などから製造される燃料の木質チップは、関東圏で年間約140万トン発生しているとされ、その半分程度がチップ製造会社の多い神奈川県といわれている。 しかし、県内にはこれを利用する発電施設がほとんどない。そこに着目した同社は、燃料の安定供給と“地産地消”による効率的な発電が可能な川崎市内への立地を決めた。しかし、中長期的に見て住宅着工件数の減少とともに建築廃材の減少が見込まれることから、新たなバイオマス燃料の開拓も始めており、今年3月からは、川崎市内に立地する味の素川崎工場から排出される大豆の搾りかす“ヒューマス”をバイオマス燃料として受け入れ始めた。 

 

ツアーでは、川崎バイオマス発電所の村上所長から、「CO2フリー電力」として注目を集めるバイオマス発電所について説明を伺い、臨海部の様々な発電施設を一望できるボイラや、住宅廃材などをチップ化する工場を視察する。

 

4.地中熱利用空調システム(南河原こども文化センター)

 

川崎市中心地、南河原公園の一角に位置する南河原こども文化センターでは、夏休みを楽しむ地域の子供たちが暑さを凌ぎに集まっている。「CCかわさきエネルギーパーク」登録施設の南河原こども文化センターでは3年前より、「地中熱」を使用した冷暖房の実証実験が行われている。年間を通して温度が一定している地中熱を熱源としたヒートポンプ空調システムは、冷房時の省エネ効果が30%以上ときわめて高いほか、通常の空調システムのように大気中への排熱を行わないため、ヒートアイランド現象の抑制にも期待が寄せられている。来年開業する東京スカイツリーへの導入でも注目を集めている地中熱利用だが、川崎市では、今年4月に改築された菅生こども文化センターで、全館地中熱空調を採用するなど、積極的に取り入れている。

 

ツアーでは、川崎市担当者から地中熱を利用した空調システムの実証実験とその成果などについて話を伺うほか、夏休み中の子供たちで賑わう南河原こども文化センターを視察する。

 

*本プレスツアーは、フォーリン・プレスセンターと川崎市との共催で実施するものです。参加者には経費の一部を負担して頂いていますが、営利を目的とした事業ではありません。

 

<実施要領>

 

1.日程案

 

8月25日(木)
08:15 日本プレスセンタービル発
09:00-10:30 浮島太陽光発電所
11:00-12:30 川崎バイオマス発電所
13:00‐14:00 昼食
14:30-15:20 市長会見
16:00‐17:15 地中熱空調システム(南河原こども文化センター)
18:15 日本プレスセンタービル着

 

2.参加資格:外務省発行外国記者登録証保持者

 

3.参加費用:1人2,000円(全行程交通費、食事を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等は、後日参加者にご連絡します。

 

4.募集人数:先着順10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。
*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5.FPCJ担当:山口、矢野(TEL: 03-3501-5070)

 

6.備考:
(1)写真・TV撮影は一部制限があります。担当者の指示に従ってください。
(2)FPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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