プレスツアー(案内)

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実施日 : 2013年01月30日 - 31日

案内:「神戸復活の原動力」プレスツアー~創造的人材を引き寄せる都市戦略~”医療産業都市”と”デザイン都市”(2013年1月30-31日)

投稿日 : 2013年08月22日

昨年のノーベル生理学・医学賞を京都大学iPS細胞研究所長・山中伸弥教授が受賞したことにより、iPS細胞を活用した再生医療や難病治療への社会からの期待が一層高まっている。そうした中、「神戸医療産業都市」に立地する理化学研究所発生・再生科学総合研究センターでは、新年度にもiPS細胞を活用した網膜細胞の臨床研究が開始できるよう準備を進めている。実現すれば、iPS細胞を使った臨床研究としては世界初の試みとなる。また、2011年に世界最速を記録したスーパーコンピュータ「京」も理化学研究所により運営されており、神戸に医療産業や研究機関、世界中の研究者を引き寄せる吸引力となっている。
神戸市が人工島ポートアイランドで進める「神戸医療産業都市」は、1995年の 阪神・淡路大震災後の神戸経済復興の核プロジェクトとして1998年にスタート。現在、医療関係の221社・団体が進出しており、医療産業の集積化が進む。2010年度には、その経済波及効果が1041億円になったと推計されており、神戸復活の原動力としてその存在感を示している。
 こうして着実に復活に向けて歩んできた神戸の新たな都市戦略が「デザイン都市・神戸」だ。人々をひきつけ心を動かすデザインの力で、地域資源を生かした観光振興や魅力ある景観づくり、産業振興を進め、神戸の新たな魅力を創造するプロジェクト。2008年には、ユネスコ創造都市ネットワークのデザイン都市に認定された。また昨年8月には、デザインを通じて社会に貢献する人材の育成、情報発信や交流などを図る拠点として「デザイン・クリエイティブセンター神戸」も開設、「デザイン都市・神戸」を世界に発信していく。
 今回のツアーでは、阪神・淡路大震災後、神戸復活の原動力となった神戸医療産業都市で、理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」やiPS細胞の臨床研究などについて取材する他、デザインという視点で新たな魅力と活力を創りだす“新生”神戸の都市戦略を探る。

 

<取材内容>

 

1. 矢田立郎・神戸市長会見
 神戸市は、18年前の阪神・淡路大震災を市民・事業者・市が一体となって苦難を乗り越え、見事にまちの復興を成し遂げた。2001年の就任以来、「世界とふれあう市民創造都市」の実現のためリーダーシップを取る矢田市長の取り組みは、「神戸医療産業都市」の核であり、世界最速を競う京速コンピュータ「京」の本格稼動や、「デザイン都市・神戸」のシンボルとなる「デザイン・クリエイティブセンター神戸」のオープンなど、次代の神戸の成長に向けて着実に成果を上げている。
ツアーでは、矢田市長より「神戸医療産業都市」や「デザイン都市・神戸」など神戸市の都市戦略について話を伺う。また、遊覧船に乗り神戸の美しい街並みを海から眺める。

 

 

 

2. 「神戸医療産業都市」
 神戸市では1998年より「神戸医療産業都市」を推進してきており、構想の目的として、①雇用の確保と神戸経済の活性化 ②先端医療技術の提供による市民福祉の向上 ③アジア諸国の医療水準の向上による国際貢献 を目指している。この「神戸医療産業都市」には再生医療研究開発、映像医療研究開発、医薬品開発・支援の3つの分野において、基礎から臨床への橋渡し機能を担う先端医療センターやiPS細胞を始めとする発生・再生分野における世界的な研究機関である理化学研究所発生・再生科学総合研究センターが立地している。
本プレスツアーでは、三木孝・神戸市企画調整局医療産業都市推進本部長より「神戸医療産業都市」について概要説明を受けた後、理化学研究所の発生・再生科学総合研究センターとスーパーコンピュータ「京」を視察する。

 

2-1. 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
2000年に日本政府によって理化学研究所に設立され、動物発生の基本原理の解明と再生医療への貢献をテーマにした研究を展開している。その予算規模は39億円(2012年度)で、研究員・職員数は547人(2011年12月)。「発生のしくみを探る領域」、「器官をつくる領域」、「からだを再生する領域」を3本柱に研究を推進しており、基礎研究から応用研究までの幅広い研究領域をカバーしている。ツアーでは、関係者より、ES細胞やiPS細胞による再生医療研究など、センターの研究概要について伺う。
2-2. 理化学研究所 スーパーコンピュータ 『京』
 2011年スーパーコンピュータの計算性能ランキングにおいて「世界第1位」を獲得した『京』は、2012年11月の最新ランキングでは、世界第3位となった。しかしながら、2012年11月に米国・ソルトレークシティで開催された国際会議「SC12」において、「HPCチャレンジ賞」の4部門中3部門で第1位を獲得し、総合的な能力の高さを示している。
『京』は、1秒間に1京(10の16乗、1万兆)回の計算能力があり、大量のデータを高速に計算して、コンピュータ上で様々なシミュレーションを行うことができ、「医療産業都市」においてもライフサイエンス分野で研究の加速や、地震や津波などの災害予測の精度向上などにおいて期待されている。2012年9月には大学や産業界等からの140件以上の研究利用が開始されている。
ツアーでは、横川三津夫・運用技術部門部門長より京の開発の経緯や、京を活用した研究の実例について伺う。

 

3. 「デザイン都市・神戸」
神戸市には、1868年の神戸港開港以来、外来文化を積極的に取り入れることによって培われてきた開放的で、自由な気風・風土があり、神戸らしさが「まちのデザイン」、「くらしのデザイン」、「ものづくりのデザイン」において発揮されている。
今回のツアーでは、デザイン都市の拠点「デザイン・クリエイティブセンター神戸」において神戸市デザイン都市推進室の衣笠収・企画推進担当課長からデザイン都市の概要を伺ったのち施設内で活動するデザイナーやアーティストへインタビューを行う。さらに、「まちのデザイン」や「ものづくりのデザイン」の現場を取材する。「まちのデザイン」については、阪神・淡路大震災で特に被害が大きかった長田区が復興する過程において、アニメ・漫画キャラクターを使った市民・地域主導の地域活性化プロジェクト「KOBE鉄人PROJECT」を取材する。「ものづくりのデザイン」については、東日本大震災を機に注目を集めた走れるビジネスシューズを開発する、神戸発祥のスポーツ用品メーカーのアシックスを取材する。

 

3-1. 「まちのデザイン」:KOBE鉄人PROJECT(長田区)
1995年1月17日の阪神・淡路大震災において新長田駅南地区は、建物の83%が全半壊・焼失するという甚大な被害を被った地域。駅前周辺の公共施設の整備もほぼ完了した現在、新長田駅南地区は、「鉄人」と「三国志」のまちとして新たな賑わいを見せている。
震災後、非常に速いスピードで復興したハード面と比較して、町自体の賑わいは、なかなかもとに戻らなかったという。そんな中、地元商店街の有志で計画したのが、神戸出身のマンガ家・故横山光輝氏の人気ロボットマンガ「鉄人28号」の18メートルに及ぶ実物大モニュメントを作ること。復興のシンボルとして、2009年9月に新長田・若松公園に完成した「鉄人28号」の総工費は、1億3千5百万円で、1/3を神戸市が負担し、残りは地元からの寄付や協賛金を募った。鉄人モニュメントを設置後、商店街の賑わいも震災以前にまで回復した。さらに、昨年4月までの集計では、約550万人が鉄人を訪れており、その経済効果は142億円と試算されている。鉄人プロジェクトに続き、同じく横山光輝氏の人気漫画「三国志」をテーマにした商店街の活性化もNPO法人KOBE鉄人PROJECT事務局を中心に進められている。 三国志に登場する人物の等身大石造の設置や三国志ギャラリーの開設、商店主が三国志のキャラクターに扮して接客する「三国志なりきり隊」も結成され、国内だけでなく中国、台湾、韓国からの観光客も訪れているという。
本ツアーでは、岡田誠司・NPO法人KOBE鉄人PROJECT事務局長の案内により新長田駅南地区を散策した後、鉄人プロジェクトの経緯を伺う。また、「三国志なりきり隊」を務める商店主へもインタビューを行う。

 

3-2. 「ものづくりのデザイン」:株式会社アシックス スポーツ工学研究所
東日本大震災を機に、改めて、アシックスのビジネス用ウォーキングシューズの機能に注目が集まった。株式会社アシックスは、1949年に神戸市で創業したスポーツ用品メーカー。神戸市西区にある同社のスポーツ工学研究所では、NYヤンキースのイチロー選手のスパイク開発を手掛けるなど、一流アスリートのシューズを開発する研究拠点となっている。そこで開発されているのが、スポーツシューズの知見を取り入れたビジネス用ウォーキングシューズの「ランウォーク」と「ジーロ」だ。東日本大震災の際に、交通機関がマヒしたため、何時間もかけて自宅まで歩いて帰ることを余儀なくされた人達の中で、このシューズを履いていた人からアシックスに感謝の声が多数寄せられたという。ビジネス用シューズでありながらも、「とにかく軽い」、「クッション性が高い」など長時間歩いても足に負担を掛けない機能を備えていたからだ。
ツアーでは、神戸発祥のスポーツ用品メーカーであるアシックスのスポーツ工学研究所を訪れ、スポーツシューズの知見を取り入れて開発されたビジネスシューズについて、研究所の実験の様子などを取材するとともに開発者へのインタビューを行う。

 

※本プレスツアーは神戸市が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画協力しています。また、本ツアーでは、参加者に経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。

 

<実施要領>

 

1.日程案:2013年1月30日(水)~31日(木)
[ 1日目 ]
07:20-08:30 羽田→神戸(SKY101)
09:00-10:00 医療産業都市ブリーフィング
10:00-11:15 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
11:30-12:30 昼食
13:00-14:00 神戸港周遊
14:30-16:00 鉄人プロジェクト
16:30 (ホテルチェックイン)
17:30-18:15 市長会見(ポートピアホテル)
18:30-20:00 夕食懇談会(ポートピアホテル)

 

[ 2日目 ]
08:30 (ホテル発)
09:00-11:00 アシックス スポーツ工学研究所
11:30-12:40 昼食
13:00-14:30 スーパーコンピュータ「京」
15:00-17:00 デザイン都市・神戸ブリーフィング
        デザイン・クリエイティブセンター神戸視察
17:46-20:33 神戸駅-東京駅(のぞみ44) 

 

2.参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者

 

3.参加費用: 1人13,000円(航空券を含む全行程交通費、宿泊費、食費を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等は、後日参加者にご連絡します。

 

4.募集人数: 15名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。
*申し込み人数が15名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5.FPCJ担当: 山口、福田(TEL: 03-3501-5070,3405)

 

6.備考:
(1) 写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。
(2) FPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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