プレスツアー(案内)

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実施日 : 2016年11月01日

案内:千葉県プレスツアー「空の産業革命、ドローン活用の最前線」

投稿日 : 2016年10月19日

 

 様々な場面でドローンの利活用が広がるなか、ドローンの産業利用に対する期待も高まっている。IT関連の出版を手がける株式会社インプレスによると、日本のドローンビジネスの市場規模は2020年度に1,138億円に達すると予想されている。安全面や性能を高めたドローンの活用による「空の産業革命」に今、注目が集まっている。

 

標準機 千葉県では、ドローン研究で日本の最先端を行く千葉大学発のベンチャー企業をはじめ、千葉市消防局や梨農家といった様々な現場で、ドローンの実用化に向けた取り組みを見ることができる。千葉大学の野波健蔵特別教授は、国内でいち早くドローン研究に取り組んできたその道の第一人者だ。これまで培ってきた技術を活かし、国内外で高まる産業分野でのドローンのニーズに応えるためベンチャー企業、自律制御システム研究所を創業。世界でも注目を集めるオートパイロット・フライトコントローラ(自律制御システム)を搭載した純国産ドローンを開発し、ドローン宅配サービス等の実用化に向けた千葉市の国家戦略特区の実証実験や、福島第一原子力発電所での放射線量の測定、農業、宅配、インフラ点検といった幅広い産業分野で活用されている。

 

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 千葉市消防局では、南海トラフ地震や首都直下地震などの大規模災害に備え、今年3月から総務省消防庁より貸与された災害用ドローンを配備している。大災害時に現場の情報収集や捜索等に活用するため、操縦士を養成し、10月から運用を開始した。

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 梨の栽培面積、収穫量、産出額で日本一を誇る千葉県で、5年前に実家の梨園を継いだ高橋章浩さんは、機械に頼れず手作業が多い梨の栽培において、ドローンが農作業の効率化や梨の品質向上のために活用できるのではないかと期待している。

 

 

本プレスツアーでは、ドローンの実用化に取り組む自律制御システム研究所や、千葉市消防局、梨農家を取材し、日本国内における「空の産業革命」の現状を探る。

 

※本プレスツアーは、千葉県が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画協力しています。

※本プレスツアーでは、参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。

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【取材内容】

 

1.日本のドローン研究の第一人者、野波健藏氏 

株式会社 自律制御システム研究所 (ACSL)photo

 

 野波健藏氏(千葉大学特別教授・ACSL代表取締役)は1998年から完全自律制御型ドローン(離陸から着陸までの全飛行経路をマニュアル操作なしで飛行できる小型ロボット)の技術開発を進め、2001年に国内で初めて、飛行中の自律化に成功した。その後、離着陸も含めて完全自律化に成功し、世界でもトップクラスの自律制御技術を広く産業利用につなげるため、2013年11月に株式会社自律制御システム研究所を創業した。

 

 同社は、ドローンの頭脳の役割を果たすオートパイロット・フライトコントローラを独自開発し、「純国産ドローン」の部品調達から製造販売までを一貫して行っている日本で唯一の企業だ。同社のドローンは、空撮、配送、液剤散布、計量・測量を行うことができ、物流や農業、災害、警備、インフラ点検といった様々な分野での活用が期待されている。特に物流分野においては、今年5月には楽天株式会社と共同で千葉県にあるゴルフリゾートで飲料やゴルフボールなどをコース上の利用者までドローンで配送する試験サービスを1カ月間行い、運用に成功した。ドローンは完全自律制御されており、運用ソフトは楽天株式会社と協同で開発している。

 

 今年、産業用ドローンの実用化を目的に制度・規制改革を重点的に検討する国家戦略特区の「千葉市ドローン宅配等分科会」が設置され、野波氏はドローン宅配等の実現に向けた技術検討会の座長を務めている。4月には、同社のドローンが指定した場所から目的地まで荷物を運ぶという実験に成功した。2019年までに実証実験を完了し、ビジネスとして実用化を目指す千葉市のドローン宅配等実証実験において、自律制御システム研究所の技術は重要な役割を果たしている。

 

 今月発売された同社の農業ドローン「MINORI 1」は、直径110㎝、機体重量7.5㎏と、農地が狭い日本の特徴に合わせて小型化されており、狭い場所や畑の中に小屋などの障害物がある場所でも隅々まで除草剤や肥料を散布することができる。除草剤や肥料の散布を年に数回しか行わない農家の設備費軽減を可能にするため、ドローン・シェアリングサービスや利用者に操縦方法を教えるサービスも提供することとしている。

野波健藏ACSL代表取締役に、同社で開発されているドローンの性能と、今後の可能性について説明を受ける。物流ドローンと農業ドローン「MINORI 1」の実演の様子を取材する。

※雨天・強風の場合は、屋内で実演の様子を取材します。

標準機 Truck修正 Minori 1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.災害時の情報収集に期待、千葉市消防局にドローン配備

千葉市消防局

 

 総務省消防庁は、南海トラフ地震や首都直下地震などの大規模災害に備え、災害用に特化したドローンを、2016年3月から千葉市とさいたま市に無償貸与している。大規模災害が発生した時に応援に駆け付ける緊急消防援助隊が、現場での情報収集や捜索、救助ルート、現場環境の安全確認などを上空から迅速で、効率的に行うツールとして、その効果が期待されている。

 

 配備されたドローンは、国内の企業が災害用に開発したものだ。GPSを利用して指定したルートを離陸から着陸まで自動航行することが可能だ。最大20分間の飛行能力を有し、操縦電波の通信が途絶えた場合や、バッテリーの電圧が設定値より低下した場合に自動で離陸地点に帰還する機能を備えている。デジタルカメラや、ビデオカメラ、ガス検知器を搭載することができ、上空から災害現場の撮影や、3D画像による地形解析、化学工場の火災や漏えい事故、火山の噴火で発生するガスの濃度を測定できる。ドローンは、千葉市内での災害時のほか、他都市で大規模災害が発生した場合にも応援出動する。ヘリコプターよりドローンによる偵察活動が有効と判断される場合等に活用する計画だ。

 

 ドローンの操作に必要な法令上の運用資格はないため、千葉市消防局では、5月から操縦技術や航空法などの知識の習得を目的とした訓練を開始。ドローン操縦士12名を養成することを計画しており、10月から訓練を終えた操縦士による運用が開始された。

千葉市消防局の関係者から災害用ドローンの活用について説明を受け、実際に飛行する様子を取材する。

※雨天・強風の場合は、屋内で訓練用ドローンの実演を取材します。災害用ドローンは屋内での飛行はできませんが、駐機状態の撮影は可能です。

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3.ドローンの農業利用を模索する梨農家

高はし梨園 高橋章浩氏(54)

 

 千葉県は、江戸時代より続く梨の産地。温暖な気候、肥沃な土壌などの恵まれた環境と長年蓄積された美味しい梨づくり技術で、千葉の梨は、収穫量、産出額、栽培面積ともに日本一を誇る。

 

DSC_0138 香取市にある「高はし梨園」は、1ヘクタールの農園に約200本の梨を栽培している中規模の梨園。同園経営者の高橋さんは、5年前に東京のIT企業を辞め、家業の梨園を継いだ梨農家の3代目だ。25年間IT分野で働いてきた経験から、ドローンの農業利用を考え、様々な機能を駆使して利用方法を模索している。使用しているドローンは、中国DJI社製で、GPSを利用した自律飛行による、最大28分間の飛行が可能だ。空撮用のカメラを搭載しており、鳥による食害防止用ネットの確認やマッピングシステムを使った梨園全体の育成記録とその変化の確認に利用している。また、梨ができるまでの過程にも興味を持ってもらえるように空撮した梨園の動画やマッピング映像をウェブサイトに掲載し、梨園のPRにも活用している。

 

 千葉県が誇る梨の生産者も、高齢化により減少傾向にある。農地の大規模化に限界がある日本の農業では、小規模で利益率を上げていくためには、品質向上が不可欠とし、そのためにも、ドローンをはじめとした先端技術が農作業の効率化や生産物の品質向上の後押しになればと期待している。

千葉県農林水産部の果樹栽培技術指導者から、千葉県産の梨の特徴や栽培方法について説明を受け、高橋さんから、ドローンの農業利用を始めたきっかけや成果について話を聞く。さらに、実際にドローンを飛行ささせている様子を取材する。

※雨天・強風の場合は、直売所内で小型ドローンの飛行の様子を取材します。農業利用しているドローンは屋内での飛行はできませんが、駐機状態の撮影は可能です。

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【実施要領】

 

1. 日程:2016年11月1日(火)

8:00                FPCJ出発(借り上げバスで移動)

9:15-10:45      千葉市消防局

11:00-13:00    自律制御システム研究所

13:00-14:15    バス移動(昼食)

14:15-16:00    高はし梨園

17:30              FPCJ着

※上記日程は変更が生じる可能性があります。

 

2.参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者

 

3.参加費用: 1人2,000円(全行程交通費、食事を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等は、後日参加者にご連絡します。

 

4.募集人数: 10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。
*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5. FPCJ担当: 於保(TEL: 03-3501-3405)

 

6.備考:
(1)写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。 
(2)千葉県とFPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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