プレスツアー(案内)

一覧に戻る

実施日 : 2016年02月03日 - 04日

案内:大分プレスツアー「障がい者の雇用とスポーツ/食のブランド化」

投稿日 : 2016年01月14日

将来の人口減少により労働力の確保が課題となる日本。政府は「一億総活躍社会」のスローガンのもと、女性や高齢者とともに障がい者の就労を促進するとしている。現状では、日本における障がい者の法定雇用率2.0%(民間企業の場合)を達成している企業の割合は、半数以下の47.2%(2015年、厚生労働省調べ)にとどまっている。

 

web★ランタン作業02444大分県は、日本における障がい者雇用の先進地であり、障がい者雇用率は山口県についで全国2位。また、世界初の単独の車いすマラソン大会を開催するなど、障がい者スポーツの聖地でもある。本ツアーでは、伝統工芸からシステム開発まで障がい者が能力を発揮する企業パラリンピックを目指すアスリートらの拠点となっている福祉施設を取材する。

 

 

web★関アジサバ02518また、大分県は地域の強みを生かした農水産品が豊富な土地でもある。日本で初めて魚として商標登録された“ブランド魚”の先駆けで、今も高価格で取引され続ける「関サバ」「関アジ」や、特産の柑橘をエサに混ぜて与えることで付加価値をつけ、差別化を目指す「かぼすヒラメ」、さらに、生産量全国一位の乾しいたけの生産者らに、ブランドを守り信用を維持するための工夫や努力について聞く。

 

 ※本プレスツアーは、大分県が主催し、フォーリン・プレスセンターが企画運営しています。

 

-------------------------------------------------------------------------

【プレスツアー <2月3日(水)~4日(木)>:「障がい者の雇用とスポーツ/食のブランド化」】

------------------------------------------------------------------------- 

 

テーマ ① 障がい者の雇用とスポーツ

 

1.株式会社 宇佐ランタン (宇佐市) ~ 障がい者が受け継ぐ伝統の技

-       谷川 忠洋 会長 

-       谷川 実   社長 

web★提灯02448  web★ランタン作業02444  web★会長02449

従業員15人の中小企業だが、日本の祭りや居酒屋に欠かせないビニール製提灯で製造量日本一を誇る。1981年から知的障がい者を雇用し、社員の半分以上の8人が障がいを持つ。従来、提灯づくりは職人が一人で行うが、工程を分業制にし、さらに一部を機械化するなど工夫を重ねて障がい者が能力を発揮できる環境を作り上げた。提灯の型にビニール生地を貼る行程では特に高い技術が求められ、ベテランの障がい者らが活躍している。同社は、伝統的な提灯をビニールで作るという素材のイノベーションに加え、分業化や機械化により知的障がい者が伝統の担い手となりうる事例を示している。

※  作業場を見学しながら、知的障がい者の能力を引き出す工夫や経営について、創業者の谷川忠洋会長と、2代目の谷川実社長にインタビューする。

 

2.社会福祉法人 太陽の家 (別府市) ~ 日本パラリンピックの「父」が遺した福祉の町 ~ 

- 中村 太郎 理事長 

 

web★太陽の家スーパー02503 web★事務所外観02460 

1965年に開設され、大分が障がい者雇用や障がい者スポーツの先進県となるきっかけになった障がい者支援施設。約2万6千平方メートルの広大な敷地に、事務所や施設利用者の住居、障がい者らが働く企業、車いす対応のスーパーや銀行が集まる一帯は、通称「福祉の町」とも呼ばれる。設立者の故・中村裕博士は、障がい者の雇用機会を作るため、民間企業との共同出資会社も設立。設立から50年が過ぎ、現在は県内の関連施設で約750人の身体・知的・精神障がい者と、約700人の健常者が働く。中村博士は、障がい者がスポーツを楽しむ環境が整っていなかった当時、社会復帰につながるとしてスポーツ振興にも力を注ぎ、世界初の車いす単独のマラソン大会である大分国際車いすマラソン大会(1981年)の開催などにつながった。

※  1964年東京パラリンピックの選手団長も務めた中村博士の息子である中村太郎理事長に、施設の概要や理念を聞く。太陽の家が敷地内で運営するスーパーマーケット「サンストア」も見学する。(以下「5.」まですべて「太陽の家」の敷地内での取材)

 

3.パワーリフティング選手 城 隆志 さん(オムロン太陽 株式会社、2015年全日本障害者パワーリフティング選手権65㌔級優勝・日本記録保持者)

   

★城氏02493

太陽の家は、ソニーやホンダ、三菱商事など8企業との間で共同出資会社を設立している。その一つで、大手電機機器メーカー・オムロン(京都市)との共同出資会社である「オムロン太陽」(社員64人のうち32人が障がい者)では、特に多くの社員がスポーツ活動に取り組んでいる。パワーリフティング65キロ級の日本記録を持つ城選手は、同社のCSRチーム長として働き、太陽の家の敷地内にあるトレーニング施設を拠点にリオ2016パラリンピックを目指している。トレーニング施設には、国内3カ所にしかない国際大会用の機器があり、日本代表や海外選手団の強化合宿も受け入れている。

 ※  オムロン太陽で働きながら、リオ2016パラリンピック出場を目指す城選手にインタビューする。

 

 

 

 4.三菱商事太陽 株式会社  「残された機能を生かして挑戦する」~

web★オフィス02472-  山下 達夫 代表取締役社長 

 

 

太陽の家との共同出資会社であるIT企業「三菱商事太陽」は、95人の社員のうち63人が障がいを持つ。重度障がい者が43人と多く、精神・発達障がい者を17人採用している。同社の業務は、健常者の補助的な作業ではなく、親会社の人事システム開発や新規顧客のリサーチ、大手スーパーのポイントカード会員のデータ入力など多岐にわたる。山下社長自身もポリオ(小児麻痺)のため左手の肘から先以外はほとんど動かないが、車いすで全国を飛びまわり、「残された機能を生かして挑戦する」という姿勢で社員をひっぱっている。

※  太陽の家のOBで、同社の創設当初から勤務する山下社長に、会社の概要やビジョンを聞く。障がいを持つ社員、障がい者と働く健常者の社員にもインタビューする。

 

 

5.大分ロボケアセンター 株式会社 ~ 「足りないところは科学の力で」~

-       大分ロボケアセンター長 (CYBERDYNE 取締役) 志岐 佳紀 さん

-       車いすマラソン 北京パラリンピック銀メダリスト 笹原 廣喜 さん (オムロン太陽 株式会社)

 

 web★ロボケア02480 ★笹原氏02493医療用・介護用の「ロボットスーツHAL®」を手掛けるベンチャー企業「CYBERDYNE(サイバーダイン)」が、「足りないところは科学の力で」という太陽の家のコンセプトに共感し、2014年にオープンした滞在型のトレーニング施設。パラリンピアンをはじめ、足や腰に障がいを持つ人を対象にロボットスーツHAL®を使った機能回復トレーニングを提供している。温泉観光がセットになった旅行プランも販売され、韓国や台湾、UAEなど海外から利用者が訪れる新しいメディカルツーリズムとして注目されている。

※  ロボットスーツHAL®の仕組みや、トレーニングの内容について志岐センター長に聞く。また、北京パラリンピックの車いすマラソン銀メダリストで、城選手と同じオムロン太陽の社員である笹川廣喜さんが、機能回復のトレーニングを行う様子を取材する。

 

 

 

テーマ② 食のブランド化 

 

6.佐賀関漁港(大分市佐賀関町) ~ ブランドの「信用」を守る

- 大分県漁協共同組合 佐賀関支店長  坂井 伊智郎 さん

 

web★関アジサバ02518  web★関アジサバ氷02525  ???????????????????????????????

サバとアジは、日本人が好んで食べる代表的な魚。値段も手ごろだが、大分県佐賀関の近海で獲れる「関サバ」「関アジ」は特別で、1匹3500~4500円と、常に高値で取引される。サバは傷みやすく生で食べることは難しいが、関サバは刺身でも食べられる新鮮さが特徴。関アジも、一年を通して脂がのり美味しい。1996年、魚として初めて商標登録の認可を受けた“ブランド魚”になり、それまでの約10倍の価格で取引されるようになった。その品質を維持するため、一本釣りの漁法や、新鮮さを保つ「絞め」の方法、サイズの選別、出荷までの取り扱いガイドラインを細かく定めている。

※  関サバ・関アジを水揚げする漁師や、2012年に県の補助を受けて完成した漁協施設での魚の洗浄、選別、梱包、出荷の様子を取材し、ブランドの信用を維持する努力について聞く。

 

7.かぼすヒラメ 養殖場(津久見市) ~ 特産品のコラボレーション

-       深良津二世養殖漁業生産組合長 理事(船長) 竹尾 久信さん

-       大分県農林水産部 漁業管理課 主幹 大塚 さん

     

 ??????????????????????????????? ★ひらめ02532 kabosuhirame 

大分県が生産量日本一の2つの食材をかけあわせることで、新しく生まれたブランド魚もある。「かぼすヒラメ」は、“養殖ヒラメ”(全国の2割)に、“かぼす”(全国9割)の果汁を混ぜたエサを与え、独特の臭みがなく鮮度が長持ちする魚として売り出した。一般的なヒラメの約1.5倍の価格だが、2015年の出荷量は前年の倍に増え、新しい大分ブランドとして定着しつつある。エサに混ぜるかぼすの量、出荷までのエサの回数や、養殖ヒラメの安全性を確保する検査体制の整備などは、大分県がサポートしている。

※  海沿いの陸地にある「ヒラメ小屋」と呼ばれる養殖場を訪ね、かぼす入りのエサ作りや、エサやりの様子を取材する。また、生産量や売り上げ、価格の推移などについて担当者の説明を聞く。

 

8.乾しいたけ生産 日本一の農家  ~ 大分ブランドの担い手

web★しいたけ02576  web★ほだば02570  web★清原さん02580

- 清原米蔵 さん 

大分県にはしいたけ栽培に適したクヌギ林が広がり、乾しいたけの生産量は全国1位で国内生産量の48%を占める。大分産の乾しいたけは、全国の品評会で15年連続団体優勝するなど質・価格ともトップクラス。清原さんは、生産量日本一を誇るこの道50年のベテラン乾しいたけ農家で、著名なシェフも買い付けにくるという。清原さんが乾しいたけを生産する国東半島では、乾しいたけ栽培を含む地域の農業システムが国際連合食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に認定された。しいたけが育つ「ほだ木」となるクヌギの木が、伐採しても再び芽吹き、再生していく持続性などが評価された。

※  生産量日本一のしいたけ農家である清原さんの収穫作業の様子を取材し、高品質のしいたけを作り続けるための工夫や努力について聞く。

  

--------------------------------------------------------------------------

ツアー概要 2016年2月3日(水)~2月4日(木)

---------------------------------------------------------------------------

1.日程案  

【1日目 2月3日(水)】

07:10 羽田空港集合

07:55 羽田空港発(ANA 791)

09:45 大分空港着

09:55-10:45 バス (大分県の福祉政策・障がい者支援についてのブリーフィング 池永 哲二 大分県福祉保健部審議監)

10:45-11:45 株式会社 宇佐ランタン

11:45-12:45 バス

12:45-13:40 昼食(的山荘)

13:40-14:00 バス

14:00-15:00 社会福祉法人 太陽の家 概要説明

        パワーリフティング選手 城 隆志 さん(オムロン太陽 株式会社、

       2015年全日本障害 者パワーリフティング選手権65㌔級優勝・日本記録保持者)

15:05-16:05 三菱商事太陽 株式会社

16:10-17:10 大分ロボケアセンター 株式会社 

        車いすマラソン 北京パラリンピック銀メダリスト 笹原 廣喜 さん(オムロン太陽 株式会社)

17:15-17:50 サンストア(スーパーマーケット)

17:50-18:40 バス、ホテルチェックイン

18:50-20:30 懇親会/夕食

 (18:50-19:00  大分県の農林水産のブランド化について 太田豊彦 大分県副知事)

【2日目 2月4日(木)】

08:00 ホテル発

08:00-08:50 バス

08:50-10:30 佐賀関漁港

10:30-11:40 バス(トイレ休憩)

11:40-12:50  かぼすヒラメ養殖所

12:50-13:00 バス

13:00-13:45 昼食

13:45-15:35  バス

15:35-16:40 国東市 乾しいたけ農家 清原 米蔵 さん

16:40-17:00 バス

18:25     大分発(ANA800)

19:50        羽田着                                ※日程は変更が生じる可能性があります。

 

2. 参加資格:外務省発行外国記者登録証保持者

3. 参加費:18,000円

4. 募集人数:10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)

 *申し込みが10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

5.申込要領 

 <<プレスツアー>>

ホームページからID、パスワードを入力してお申込み下さい。

6. FPCJ担当: 深澤、高橋(TEL: 03-3501-5251)

7. 備考:

(1)写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。

(2)FPCJおよび大分県はツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

(3)参加者に経費の一部を負担していただきますが、営利目的事業ではありません。

FPCJとは
取材協力
取材に役立つ情報
活動の記録
外国への情報発信