プレスツアー(案内)

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実施日 : 2014年05月13日

案内:プレスツアー「超高齢化社会・日本が模索する介護の未来」

投稿日 : 2014年04月28日

超高齢化社会・日本が模索する介護の未来


- 遂に市場に登場、筋力補助ロボット「マッスルスーツ」 -
- 空き家を活用した介護サービスの現場 –


 マッスルスーツ_赤_実演

厚生労働省によると、2014年3月末時点での日本における65歳以上の高齢者の数は3,094万人。前年度から116万人の増加で、遂に3,000万人を突破した。支援を必要とすると認定された65歳以上の要介護者数は546万人となった。
高齢者人口が増え続けるなか、特別養護老人ホームへの入所を希望しながら入れずにいる待機者の数は全国で約52万2千人に上っている。そのうち食事や排せつに介助が必要な「要介護度」3~5の中・重度者は約34万4千人で、待機者全体の3分の2を占める。
超高齢化社会・日本で、増え続ける介護ニーズに対してどのような解決策があるのか。模索が続く中、介護現場では新たな取組みが生まれている。

 

 

一つはロボットの介護マッスルスーツ_実演_介護-RE-RE分野での実用化だ。東京理科大学の小林宏教授が、装着することで筋力を補い、重いものを持ち上げる際の身体への負担を軽減する「マッスルスーツ」を開発した。加工メーカーである菊池製作所と協力して商品化に成功。30~80万円の価格帯で、今年度中に1000台の出荷を目指している。既に在宅介護の現場で100台が試験導入されている。介護ロボット分野は成長が期待されており、2020年度には国内市場規模が350億円に達するとの予測もある(矢野経済研究所発表によるhttp://www.yano.co.jp/press/press.php/001196)。

 

 IMG_1517

 

 

 一方、介護事業者にも新たな動きがある。日本介護福祉グループでは、地域の空き家を活用してデイサービスを展開。在宅介護における家族の負担を軽減するため、宿泊を伴う夜間ケアも提供している。さらに、2013年には芸能プロダクションと提携し、役者やアーティストを目指す若者に介護の現場で働く機会を提供するというユニークな試みも始めた。


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多くの国が直面する課題である高齢化。本企画では、上記の取材を通じ、世界で最も高齢化が進んでいる日本が探る、介護の未来について追う。
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【 取材内容 】


1.筋力補助ロボット「マッスルスーツ」
世界でも例のない規模で、介護分野でのロボット導入が始まった

 

■東京理科大学 工学部 小林 宏(こばやし ひろし)教授(47歳)
~介護従事者の声を反映して完成させた「現場で役に立つロボット」~
IMG_1491-小林先生

http://kobalab.com/
https://www.tus.ac.jp/en/fac/p/index.php?1825

 かねてから介護分野での活用が期待されてきたロボットだが、遂に本格的な市場参入が始まっている。東京理科大学 小林宏 教授(47歳)が開発した筋力補助ロボット「マッスルスーツ」は、圧縮空気を動力とし、装着することで最大30キロ分の重さを補助できるというもの。特に腰への負担を軽減することを目的に作られているのが特徴だ。製品自体の重さも5キロと軽量で、装着や操作も簡単。あくまで「現場で使われること」を意識した作りになっている。


マッスルスーツ_実演_介護-260

 2000年に開発を始めて以降、試作品を発表してきたが、大きな転機となったのは、訪問入浴介護サービスを手掛けるアサヒサンクリーン株式会社との出会いだ。ベッドの横にバスタブを持ってきて、高齢者を抱きかかえて入浴させる同社のサービスは重労働で、一日に何度も繰り返すことで介護スタッフの腰に大きな負担がかかる。この問題に悩む同社が小林教授に呼び掛けて2010年から協力体制がスタート。介護スタッフが試作品を使って徹底的にモニターし、そこで出てきた現場の声、要望を次々に反映させていったのだ。その結果、実際に使う人の目線で作られた実用的な製品が完成した。小林教授は「身体に装着してここまでの力が出せるものは世界でも他にない」と語る。既に100台が介護現場に試験導入されている。マッスルスーツ開発の背景にあるのは「役に立つものを開発したい」という小林教授の想いだ。

 マッスルスーツの用途は介護だけではない。物流を始めとした重筋労働の現場でも活用が期待されており、今年秋には100台が物流関連企業に導入される見込みだ。労働人口も高齢化する現在、女性や高齢者の重筋労働を補助する面でも大きな可能性があると言える。販売価格は30~80万円程度、レンタル料金としては月額2万5千円程度を予定しており、今年度中に1000台の出荷を目指している。

マッスルスーツ_実演 マッスルスーツ_赤_実演 マッスルスーツ_赤_実演_段ボール マッスルスーツ_赤

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■株式会社菊池製作所 菊池 功(きくち いさむ)社長(70歳)
~下請けからの脱却を図る中規模企業。職人の技術がロボット生産を支える~

http://www.kikuchiseisakusho.co.jp/
https://www.tus.ac.jp/tlo/new/pdf/140217.pdf

菊池社長

 市場に向けたマッスルスーツの量産化にあたり、小林宏教授がタッグを組んだのが総合加工メーカーの菊池製作所だ。2013年12月、東京理科大学と菊池製作所は、マッスルスーツの商品化や販売を行う大学発ベンチャー、株式会社イノフィスを設立した。マッスルスーツの製造は菊池製作所が担当する。

 

 菊池製作所は、従業員数の約450名の中規模企業。大手メーカーから受注する携帯電話やデジタルカメラの試作品づくりや、金型製作などを手掛けてきた。マッスルスーツの商品化を目指していた小林教授は、大手メーカーからのアプローチも受けたが、「市場規模が読めない」、「前例がない」などリスクを嫌う大企業は最終的には撤退していった。一方、かねてから下請けからの脱却と自社製品の確立を模索してきた菊池製作所 菊池功社長がプロジェクトに参加。将来性を見越して新会社への出資や設備投資を進めた。背景にあるのは、「日本社会を支える土台はものづくり」、「ものづくりを続けるからには新しいことをやっていかなければならない」という社長の信念。菊池社長は福島県出身で、同社は福島県飯館村に工場も持っている。現在、同じく福島県の南相馬市に新工場を建設中で、そこでマッスルスーツの製造(組み立て)を行う計画だ。菊池社長、小林教授ともに「マッスルスーツの生産を福島県の復興につなげたい」との考えだ。

マッスルスーツ_実演_工場-トリミング




  


✓本プレスツアーでは、東京理科大学の小林教授のラボを訪問。小林教授および菊池社長に話を聞くほか、マッスルスーツのデモンストレーションを見学する。さらに小林教授がこれまで手掛けてきた歩行補助ロボットなども視察する。



 

 

2.介護施設「茶話本舗デイサービスFAMILY」/
株式会社日本介護福祉グループ 藤田 英明(ふじた ひであき)会長(38歳)
~海外への介護ノウハウの輸出も目指すパイオニア~
IMG_1505-trimmed-藤田会長

http://www.jcgroup.co.jp/

 株式会社日本介護福祉グループは、空き家を利用した高齢者向けの小規模のデイサービス(日帰りで利用できる通所介護サービス)事業を手掛けており、主にフランチャイズチェーン形態により全国で791カ所を展開している。利用者(高齢者)定員を10名以下にして手厚いケアを行うと同時に、空き民家を改築して施設として利用することでコストを抑え、採算性を維持するモデルだ。自宅に似た環境であるため、認知症の利用者も安心できるというメリットもある。さらに、従来のデイサービスに加えて、介護保険対象外のサービスである宿泊を伴う夜間ケアも提供しているのが大きな特徴だ。また、高齢者を抱える家族にとって深刻な「介護には休める時がない」という問題を受け、年中無休での対応を始めた先駆け的存在でもある。同社を設立したのは、2005年当時28歳で現役の介護従事者だった藤田英明氏。特別養護老人ホームに入居できない待機高齢者の増加や、在宅介護で家族が疲弊する姿を目にした藤田氏は、現状を変えたいとの想いで起業した。住み慣れた自宅で生活したいという利用者(高齢者)と介護する家族、双方のニーズを満たすのが狙いだ。また、藤田氏は、「超高齢化の課題先進国として解決策を世界に伝えたい」と、介護ノウハウの輸出や海外展開も目指している。

 

IMG_1523-RE 一方、同グループでは、2013年に、タレントの育成や映画製作を行う芸能プロダクション、株式会社ソウルエイジと提携。フランチャイジーである「茶話本舗デイサービスFAMILY」ではタレントを目指す若者が介護職に就いている。歌手を目指す池田雄大さん(24歳)は、プロデビューを目指してライブ活動を行う一方、同施設で63歳~100歳までの利用者のケアに従事している。施設でも童謡などを歌い、高齢者から大人気だ。池田さんは「身近な高齢者を満足させられなければ多くの観客を感動させることもできないと思う。仕事のなかで好きな歌も披露できて嬉しい。働きながら歌手としてのチャンスに出会えてありがたい」と前向きだ。


✓本プレスツアーでは、介護施設「茶話本舗デイサービスFAMILY」を訪問し、施設内部や利用者(高齢者)、池田雄大さんを始めとした介護従事者への取材を行う。
また、日本介護福祉グループ 藤田英明会長にインタビューを行い、同社のビジネスや日本の介護の現状への考え、海外展開の計画について聞く。


写真-池田さん 演奏image-4-RE



【 実施要領 】


1.日程案:2014年5月13日(火)

 

9:10 日本プレスセンター発(借り上げバスで移動)

10:00-12:00 東京理科大学 工学部「マッスルスーツ」

 - 小林宏教授

 - 菊池製作所 菊池功社長

 - デモンストレーション

13:00-13:45 昼食

14:00-15:20 介護施設「茶話本舗デイサービスFAMILY」

 - 高齢者

 - 介護スタッフ

 - 池田雄大さんパフォーマンス
 (株式会社日本介護福祉グループ 藤田英明会長 同行)

15:30-16:15 株式会社日本介護福祉グループ 藤田英明会長インタビュー

17:15 日本プレスセンタービル到着

※注意事項:介護施設は元々民家ですので、スペースが限られています。そのため、藤田会長へのインタビューは介護施設の近くの会議室に移動して行います。

 

2.参加資格: 外務省発行外国記者登録証保持者

 

3.参加費用: 1人2,000円(昼食費を含む)
*お支払い方法、キャンセル料等は、後日参加者にご連絡します。

 

4.募集人数: 10名(各社ペン1名、カメラ1名、TVは1社2名まで)。
*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5. FPCJ担当:吉田、横田(TEL: 03-3501-3405)

 

6.備考:
(1) 写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。
(2) FPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

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