プレスツアー(案内)

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実施日 : 2013年10月17日 - 18日

案内:北九州プレスツアー 「アジア初のグリーン成長モデル都市」

投稿日 : 2013年09月27日

 2012年に経済協力開発機構(OECDが定めるグリーン成長都市(環境と経済が両立した都市発展モデル)にアジアで初めて選ばれた北九州市。高度経済成長期の公害を克服し、環境モデル都市としてアジア諸国とのネットワークも強化しながら環境分野でのリーダーシップを発揮している。また、水素タウンプロジェクト洋上風力発電といった低炭素化社会の実現に向けた革新的な取り組みが注目を集めているほか、かつて日本の近代化を支えた八幡製鉄所(現・新日鐵住金八幡製鉄所)や、ハイテク・トイレの生みの親・TOTOなどの、地元企業も環境に配慮したモノづくりに積極的に取り組んでいる。

 

北九州市では、市制50周年(1963年に5市が合併して誕生)を迎えた今年の10月を「エコマンス」と称し、OECDグリーンシティ・プログラム北九州レポート発表記念会議」を含めた4つの国際会議など、環境イベントが目白押しだ。北九州市が「エコ一色」に染まるこの機会を捉え、本プレスツアーでは、環境先進都市として世界をリードする北九州市の取り組みを取材する。

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※本プレスツアーは北九州市、OECD、フォーリン・プレスセンターが共催、企画運営しています。

※本プレスツアーでは、参加者には経費の一部を負担していただいていますが、営利を目的とした事業ではありません。

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<取材内容>

 

1.    北九州スマートコミュニティ創造事業/水素タウンプロジェクト

http://jscp.nepc.or.jp/kitakyushu/index.shtml

16「東田地区」は、1901年に官営八幡製鉄所(現・新日鐵住金八幡製鉄所)が誕生して以降、長年に渡り「鉄のまち」として日本の近代産業をリードした。その発展の代償である「公害」を克服した今、同地区は、スマートコミュニティの実証エリアに選定されるなど「緑のまち」へと変貌を遂げている。

 

 

 

 

 「スマートコミュニティ」は、環境に優しいエネルギーを活用するとともに、I3Tを駆使して、まち全体のエネルギー賢く使いこなす、という取り組みだ。フランスのリヨン、スペインのマラガ、英国のマンチェスターなど、欧州の大都市では、今、日本の技術を取り入れたスマートコミュニティの構築プロジェクトが相次ぎ始まっている。日本では、北九州市のほか、けいはんな学研都市、横浜市、豊田市の4都市で実証実験が進んでいるが、北九州市スマートコミュニティの特徴は、「ダイナミック・プライシング」「水素エネルギーの活用」だ。

 

 

 ダイナミック・プライシング

4ダイナミック・プライシングとは、電力の需給状況に応じて電気料金を変動させることで、エネルギー利用が過大になる時間帯に消費者に節電行動を促し、エネルギー利用を抑える仕組み。例えば、電力需給が逼迫すると予測された場合、電気料金を高めに設定すれば、消費者に節電の意識が働き、電力需要のピークを低く抑えることができる。このような地域のエネルギー使用をコントロールする司令塔の役割を果たすのが、地域節電所(CEMS=地域エネルギーマネージメントシステム)である。地域内で蓄えられる全ての電力のデータを「見える化」し、一元管理するとともに、毎日の気象データをベースにその日の電気使用量と発電量を予測し、各家庭の「宅内表示器」に情報を提供している。

 

 

水素タウン・プロジェクト

http://www.f-suiso.jp/kitakyushu_Hytown/

CO2排出ゼロの究極のクリーンエネルギーである水素。日本の水素生産能力は年間約360億立方メートルもあるが、現在(2012年11月時点)の国内需要は約半分に過ぎないという。余剰能力を活かせないか。このアイディアを世界で初めて「まち単位」で実践に移しているのが北九州市だ。東田地区にある新日鐵住金の八幡製鉄所では、製鉄過程で大量の水素が副生される。この余剰水素を地区内に埋設したパイプラインを通して送り、家庭やオフィス、公共施設などで利用する仕組みだ。地区内に建つ7戸の水素エネルギー実証住宅「ひがしだH2には既に住民が生活しており、燃料電池車用の水素ステーションもある。

(写真下:燃料電池自転車、ひがしだH2、水素ステーションで給電中の燃料電池車)

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ホンダ燃料電池車クラリティ

http://www.honda.co.jp/FCX/

72002年に世界で初めて燃料電池車FCXのリース販売を日米で開始したホンダ。2007には新型燃料電池車FCXクラリティ」を発表し、今年7月には米ゼネラルモーターズと燃料電池車の開発で提携することも発表した。次に同社が目指すのは燃料電池車の量産化だ。燃料電池車は、生産コストや水素インフラ整備の問題から長らく量産化は難しいとされてきた。しかし、ホンダ、トヨタ、日産の国内大手3社は、現在1億円前後で販売されている燃料電池車を、生産コストを抑えることで2015年~2017年の間に500万円程度で発売する計画だ。インフラについても、エネルギー事業各社が2015年までに水素ステーションを国内に100ヶ所整備し、2025までには1000ヶ所に設置することを目指している。また、ホンダは独自に「家庭用水素ステーション」や世界初の「燃料電池車から住宅に給電するシステム」を開発中。後者については、北九州市と協働し、東田地区の「エコハウス」にて既に実証実験を開始している。ホンダは、FCXクラリティを、北九州エコマンス期間中に市内で開催されるエコテクノ2013(環境技術展)に出展する予定だ。

 

◎本プレスツアーでは、東田地区のスマートコミュニティ実証エリアを訪れ、地域発電所(CEMS)をはじめとする地域内の多様なエネルギー管理システムを取材する。また、水素実証住宅「ひがしだH2」、水素ステーション、ホンダ燃料電池車FCXクラリティ等の取材を通じ、水素タウン構築に向けた北九州市の取組みを取材する。クラリティについては、エコテクノ2013の会場にてホンダの担当者から同車の説明をうけるとともに、東田地区の「エコハウス」にて燃料電池車から住宅に給電するシステム」のデモの様子を取材する。

 

 

 

 2.北九州次世代エネルギーパーク

http://www.kitaq-ecotown.com/enepa/

 12 2009年にオープンした北九州次世代エネルギーパーク(若松区響灘地区)には、石油、石炭、天然ガスなどのエネルギー供給基地、風力、太陽光、水力といった自然エネルギー発電施設など多種多様なエネルギー関連施設が集積する。今年7月には、北九州市が同地区に高効率火力発電所と洋上風力発電所を集積させる構想を発表。民間企業の誘致により施設の建設を進め、最終的には原子力発電所2基分に相当する250万キロワット規模の出力を目指す。2020年度までにフル稼働することを目標にしており、既に今年6月にはNEDOと電源開発による洋上風力発電(出力2MW)の実証実験が始まっているほか、ひびきエル・エヌ・ジー株式会社による液化天然ガス(LNG)の輸入基地も建設中だ。

 

さらに、今年8月には「市民太陽光発電所」も完成。建設費は市民からの寄付及び市民向けの公募債で賄われた。「初期投資は巨額だが、その後は一定の収入がほぼ保証され、出費が少ない」というメガソーラ―の特質を生かし、年利回り0.5%で発行した公債は総額5億円分が2日で完売したという。市民出資による太陽光発電所の建設動きは、今、日本全国へと広がりつつある。

◎本プレスツアーでは、北九州市担当者の案内で、洋上風力発電、市民太陽光発電所、LNG輸入基地建設現場など、次世代エネルギーパーク内を視察する。

 

 

 

 

3.TOTO株式会社

~ハイテクトイレの生みの親。エコなトイレで社会に貢献~

http://www.toto.co.jp/

「清潔」「多機能」で名高い日本のトイレ。近づけば自動的にフタが空き、便座に座れば温かい。用を足した後はボタン一つでお尻を洗浄・乾燥、便座を離れれば自動で水が流れる。日本ではあたりまえとなっているこの多機能便座のひとつ、「ウォシュレット」を開発したのが、北九州市小倉に本社を置くTOTOだ。同社は、トイレ、洗面器などの衛生陶器で国内トップ・シェアを誇る。30年以上も前から節水技術の開発・改良に取り組んできたTOTOは、2017年までに家庭の水まわりから出るCO2を50%削減(1990年度比)できる商品の提供を目指すことも目標の一つとした環境ビジョンTOTO GREEN CHALLENGEに取り組んでいる。便器の汚れを効果的に落とす「トルネード洗浄」、防汚技術の「セフィオンテクト」などを次々に開発し、最新トイレ「ネオレスト」では、一回で流す水の量を3.8リットルにまで減らすことに成功した。近年はアジア、欧州での販売にも力を入れている。

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◎本プレスツアーでは、「超清潔」「超節水」を可能にするTOTOの技術を含め、同社の環境に配慮したモノづくりについて説明を受ける。また、トイレを製造している小倉第一工場を視察する。

 

 

 

 

4.OECDグリーンシティプログラム北九州レポート発表記念会議

15OECDは、北九州市を「グリーン成長都市」として選定するとともに、2013年5月に同市のグリーン成長に関するレポートを発行した。レポートでは、北九州市の先進事例の紹介や今後のグリーン成長への提言がなされている。10月18日に予定されている国際会議には、日本政府、北九州市、OECD、市民団体、産業界関係者や、海外の「グリーン成長都市」であるストックホルムの代表者など約120名が出席し、北九州市を事例とした都市のグリーン成長についての知見や議論を深める。

◎ツアーでは、同会議に参加した後、北橋健治・北九州市長及びOECD行政管理・地域開発局長ロルフ・アルター氏による記者会見に出席する。さらに、同局長とのラウンドテーブルの機会を持つ。

 

 

 

 

 

<実施要領>

1.日程案: 2013年10月17日(木)~18日(金)

 

1日目

7:30         羽田空港集合

8:15         羽田空港発

9:55         北九州空港着

10:00-10:45  借り上げバスにて移動

10:45-11:30  ホンダ燃料電池車FCXクラリティ(エコテクノ2013)

11:50-12:50  昼食

13:00-17:00  北九州スマートコミュニティ創造事業/水素タウン

         -地域節電所(CEMS)

         -水素エネルギー館、ひがしだH2(水素実証住宅HEMS)、

          日鉄エレックス(BEMS)、水素ステーション等

         -FCXクラリティから家庭への給電デモ

17:30        ホテル(ステーションホテル小倉)着

 

2日目

8:30   ホテル発

9:00-11:00   次世代エネルギーパーク

11:30-12:15    昼食

12:30-14:30   TOTO株式会社     

15:00-17:00  OECDグリーンシティプログラム・北九州レポート発表記念会議

17:10-17:30  プレス会見

17:40-18:00   OECD局長とのラウンドテーブル

19:40   北九州空港発 

21:15     羽田空港着 

(※上記は仮日程です。若干の変更が生じる可能性があります。)

 

2.参加資格:  外務省発行外国記者登録証保持者

 

3.参加費用:  120,000円(全行程交通費、宿泊費、朝食・昼食代を含む)

*お支払い方法、キャンセル料等は、後日参加者にご連絡します。

 

4.募集人数:  10名(各社ペン1名、カメラ1名、TV12名まで)。

*申し込み人数が10名を超えた場合は、国別の参加者数に上限を設定することがあります。

 

5. FPCJ担当:石川(TEL: 03-3501-3405

 

6.備考:

(1)写真・TV撮影に関しては担当者の指示に従ってください。        

(2)北九州市、OECD、FPCJはツアー中に生じるいかなる不都合、トラブル、事故等に対して、一切責任を負いません。

 

 

 

 

 

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